徹底検証 楽天モバイル: スマホの料金体系に革命を起こせたのか?使ってみた結果は?

格安SIMのトラブル対応 後悔しない格安SIM

携帯電話の料金体系に革命を起こしたと言われる楽天モバイル。一方でネット上での口コミには、「全然つながらない」「速度がおそすぎて使い物にならない」との声も聞かれます。実際はどうなのでしょうか?検証してみました。

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楽天モバイルの強み

楽天モバイルを試してみようとおもう人が着目しているのは、「データ容量無制限」と「各種手数料無料」です。

データ容量無制限

他社にはない、楽天モバイルの最大の特徴は、「税込3,278円でデータ容量無制限」という点です。
昨年までは、データ容量 3GB/20GB/無制限と3段階の料金体系になっていましたが、最新の「最強プラン」では、 3GBか無制限かの2段階となっています。
2022年時点の料金体系 2022年の楽天モバイル料金プラン
2023年の料金体系 2023年の楽天モバイル料金プラン
ある程度の通信速度が確保できている状態で、データ無制限が事実だとすると これは料金体系に革命を起こすことになるので、期待していた人も多いと思います。

各種手数料が無料

楽天モバイルでは、以下の手数料が無料です。(出典:楽天モバイル 各種手数料
これらが無料であることは、試してみようと考えている人にとってハードルが下がります。
契約事務手数料 0円
SIMカード再発行手数料
0円
eSIM再設定手数料
0円
SIM交換手数料
0円

楽天モバイルの問題点

2022年9月に契約しましたが、当時気になった点は以下の3点です。

オンライン申込みシステムに難あり?

オンラインで手続きを完結させようとおもいましたが、うまくいきませんでした。
オンラインで申し込み後、2日経過してもステータスが「準備中」で一向に変わる気配がありません。
ネット上の記事では「最短で2日でSIMカードが届く」とあるのになにか変です。
心配になったので、問い合わせ窓口に電話すると「ステータスが本人確認書類のアップロード待ちになっている」とのこと。
確かに申請途中に本人確認書類の画像認識でエラーがでたのは事実ですが、、その後「配達員による対面確認」に切り替えて申請し直しています。
本人確認書類の画像認識も、申請方法の切り替えにおいても、システムになんらかの不備があるようです。
仕方がないので、マニュアルで申請をキャンセルにしてもらい、店舗に出向いて手続きをすることにしました。
事前にいろいろと調べていったためか、手続きはスムースに済み、40分程度でSIMカードが発行されました。

通信速度とつながりやすさは?

期待に胸膨らませ、SIMフリーのiPhoneSE第2世代に、楽天モバイルのSIMカードを挿して起動します。

しかし、残念ながら、電波の入り具合、通信速度はかなり厳しい結果となりました。

まず、通信速度を測定しようとすると、まさかのアンテナ2本の表示です。
楽天モバイルの「通信・エリア」で「楽天回線 4G LTEエリア」内であることを事前に確認したですが、かなり不安になります。
実際に自宅で測定した通信速度は、下りが4.67Mbpsしかありませんでした。首都圏に住んでいてこれはかなりショックです。また、上りが10.8Mbpsと下りより速いのが不思議です。
自宅内は、UQmobileやLINEMOのような他の大手キャリアのサブブランドでは、下り 40Mbps以上の通信速度がでています。都市部の住宅街でこの通信速度の差はかなり厳しいものがあります。
【自宅での速度測定結果】
楽天モバイル UQmobile(au回線) LINEMO (SoftBank回線)
下り 4.67Mbps
上り 10.8Mbps
下り 40.0Mbps
上り 7.09Mbps
下り 84.4Mbps
上り 7.61Mbps
楽天モバイルの速度 自宅 UQmobileの速度 自宅 LINEMOの速度 自宅
仕方ないので、自宅周辺で電波の入る場所をさがします。
家からでて 100mほど歩いたところで アンテナ4本の場所を見つけました。
ここでは、下り37.7Mbps, 上り 32.5Mbpsとなっています。
念の為、都心でも測定してきましたが、それほど状況が改善されるわけではありませんでした。
【楽天モバイルの通信速度(自宅周辺、勤務先(都内))】
自宅周辺(首都圏)(アンテナ 4本の場所) 都心
下り 37.7Mbps / 上り 32.5Mbps 下り 18.11Mbps / 上り 32.18Mbps
楽天モバイル 自宅周辺 楽天モバイルの通信速度 都心
ちなみに、都心の同じ場所で、UQmobileと LINEMOで測定すると以下のように下り30Mbpsを超えています。
UQmobileの通信速度 (au回線)
下り 56.7Mbps / 上り 15.2Mbps
LINEMO (SoftBank回線)
下り 37.02Mbps / 上り 19.37Mbps
UQmobile 速度 都心 LINEMO 速度 都心
この楽天モバイルの下り 18.11Mbpsというのは実用面では非常にビミョウな速度です。
一般的に、用途別に必要な通信速度は以下が目安とされています。
用途
推奨通信速度
オンライン会議
10〜15Mbps
4K動画
20Mbps
オンラインゲーム
30〜100Mbps
楽天モバイルの下り 18.11Mbpsというのは、オンライン会議はなんとかこなせるという、非常にビミョウな速度なのです。

結論:楽天モバイルを快適に使うのは難しい

楽天モバイルの通信速度は、LINEMOやUQmobileのような大手キャリアのサブブランドと比較して、かなり見劣りがするものとなりました。
場所によって電波が入りやすく、通信速度が速い地域もあるとはおもいます。
しかし、残念ながら私の生活圏内では、快適に使うことはできませんでした。
はじめにもう少し調べておけばよかったのですが、以下のように都心で楽天モバイルの通信速度の測定結果を掲載しているサイトがありました。それによると都内ターミナル駅での楽天モバイルの速度は以下の通りです。(出典:モバイル保険BLOG
場所
通信速度(下り)
池袋
10Mbps
新宿 1.2Mbps
渋谷 21Mbps
品川 12Mbps
新橋 29Mbps
池袋、品川といったターミナル駅周辺で 通信速度15Mbpsを下回っており、しかも新宿にいたっては 1.2Mbpsというかなりひどい状況です。
都心ですらこの状況であれば、都心近郊の住宅街では 通信速度が期待できないのも納得です。
基地局の増設、通信速度の改善がされるまで、利用は様子見をしたほうがよいでしょう。