スマホの最新機種の価格が10万円超えが当たり前となった今日、スマホ代を抑えたいと思っている方にとって3万円代で買える格安スマホは魅力的です。3万円代で購入できるスマホは実際のところ利用に耐えうるものなのでしょうか?「OPPO Reno7」とiPhoneSE第2世代(中古)について比較してみました。
3万円代の格安スマホを探す
今年の7月から格安SIMに乗り換えてきた関係で、スマホの機種変更時にはスマホ本体も格安機種に乗り換えたいと考えていました。
私が昨年から使ってきたiPhoneSE第2世代は、5Gに対応していませんし、画面サイズも4.7インチで少々小さく感じます。
そうなると、次に乗り換えたいのは画面サイズが大きい、5G通信に対応した新しい機種です。
iPhoneで画面サイズが大きい機種を探そうと思いましたが、価格が高くてためらわれます。
例えば、2022年9月に発売された最新機種、iPhone 14で画面サイズが大きいものは、データ容量128GBで 税込 119,800円。(iPhone14)
iPhoneで画面サイズが大きい機種を探すと、世代を2年ほどさかのぼっても中古価格が7万円を下回りません。(出典:中古iPhone販売サイト にこスマ )
容量128GB機種 | 画面サイズ | 発売日 | 中古価格(税込) |
iPhone13 | 6.1インチ | 2021年9月24日 | 107,000 |
iPhone12 | 6.1インチ | 2020年10月23日 | 75,500 |
今回、乗り換えたいと思って探しているのは 3〜5万円程度のスマホです。
iPhoneが難しいとなると、Android機種を探すしかありません。
いろいろ探していく中で、「OPPO Reno7」というAndroidスマホが、OCN モバイル ONEで9/20-10/12まで期間限定特売されていたので、税込24,200円で購入してみました。
OPPO Reno7の基本スペック(iPhoneSE第2世代との比較)
OPPO Reno7は、2022年6月に発売されたミドルクラスのいわゆる”中華スマホ”です。
価格.comなどで確認すると、OPPO Reno7(SIMフリー版 128GB)は、2022/11/13現在 34,000円前後で販売されています。
私がつかっていた「iPhoneSE第2世代 128GB」も、現在中古市場で3万円程度で販売されています。参考)にこスマ
OPPO Reno7は、3万円台という価格の割にカタログ上のスペックが高く、期待が持てます。
OPPO Reno7の基本スペックを、私がもっていた「iPhoneSE第2世代」と比較してみます。赤字部分は、他方の機種より優れている部分です。
機種 | iPhone SE第2世代 | OPPO Reno7 |
発売 | 2020年4月24日 | 2022年6月23日 |
容量 | 128GB | 128GB |
価格 | 中古価格 30,000円強 | SIMフリー端末の実勢価格は34,000円程度 |
重さ | 148g | 175g |
CPU | A13 Bionicチップ | Qualcomm® Snapdragon™ 695 5G |
通信 | 4G | 5G |
Wi-Fi | 802.11ax (Wi-Fi 6) | 802.11ac (Wi-Fi 5) |
外部メモリ | なし | microSDXC™ (最大1TB) |
SIMタイプ | デュアルSIM(nano-SIMとeSIM) | デュアルSIM(nano-SIMとeSIM) |
SIMカード | nanoSIM 1枚 | 排他的デュアルSIMスロットSIM1(nanoSIM)+SIM2(nanoSIM)/microSD |
本体サイズ | 幅 67.3mm x 高さ 138.4mm | 幅 73.4mm x 高さ 159.7mm |
画面サイズ | 4.7インチ | 6.4インチ |
解像度 | 1,334 x 750 | FHD+(2400×1080) |
パネルタイプ | Retina HD | 有機EL(AMOLED) |
アウトカメラ | 12MP(1,200万画素)F値: 1.8 | [広角]約4,800万画素(F値:1.7) [超広角]約800万画素(F値:2.2)、画角120° [マクロ]約200万画素(F値:2.4) |
生体認証 | ホームボタン指紋認証 | ディスプレイ指紋認証 顔認証 |
バッテリー | ビデオ再生 最大13時間 | 4500mAh ビデオ視聴 最大20時間 |
スペックだけ単純に比較すると、バッテリーが長持ちし、5G通信に対応、有機ELディスプレイで画面サイズが6.4インチもあり、物理SIMカードスロットが2枚もある「OPPO Reno7」の方が圧倒的に良いように思えます。
ところが、実際につかってみるといくつか難点があり、iPhoneSE第2世代から完全に乗り換えることはできませんでした。結局、スマホの2台持ちになってしまいました。
なにが問題だったのでしょうか?実際に使った結果をみてみましょう。
つかってみて初めてわかる OPPO Reno7のデメリット
1ヶ月間使ってみて、「これは困った」と感じた点は大きく4点です。
1.ゲームの動作が遅い(カクカクする)
これは想定外でしたが、おもったよりゲームアプリの操作性が悪く感じました。
私が試したのはLINEツムツムという単純なゲームアプリですが、具体的な症状として
- アプリの起動に時間がかかる
- ツムを消そうと画面上をなぞったときに、画面の反応が遅い
- 動作がカクカクする
などありました。
これが、アプリのAndroid対応によるものなのか、スマホ機種の性能や設定によるものかわかりません。
少なくとも iPhoneSE第2世代ではサクサク動きます。
2.音楽再生機能が弱い?(Bluetooth接続)
音楽再生で気になった点が2点あります。
1点目は好みの問題・かつ主観的な要素もあるかと思いますが、iPhoneSEに比べReno 7のほうが音が軽く、深みがないように感じられます。
2点目は、ある特定のBluetoothスピーカーとの接続で問題がありました。具体的には、Anker製の「Soundcore2」というBluetoothスピーカーと接続したときに、再生音量が非常に小さく、スマホ側の音量を大きくしてもSoundcore側の音量がそれほど大きくできません。
iPhoneSEの場合には、スマホ側の音量をそれほど大きくしなくとも、Soundcoreの再生音量は大きくできます。
周辺機器メーカーの側も iPhoneとの接続性は最優先でテストすると思います。
しかし、毎年何十機種も発売されるAndroid端末すべてに対応する余裕はないかもしれません。
3.カメラ性能が手軽に引き出しにくい
iPhoneSEのアウトカメラは、1,200万画素(F値: 1.8)であるに対して、「OPPO Reno 7」のアウトカメラは、約4,800万画素(F値: 1.7)です。
カタログスペックだけみれば、「OPPO Reno 7」のほうがきれいな写真が撮れるはずですが、そうでもないようです。
あらかじめインストールされている「OPPO Reno 7」内のカメラアプリでは、シャッターを押してから保存されるまでの時間や、ピント合わせに若干問題があるように感じました。
ちなみに「OPPO Reno 7」のカメラアプリには、「エクスパート」モードというものがあり、ISO感度、シャッタースピード、ホワイトバランス、オートフォーカスなど高度な設定もできるのですが、初心者には少々難しいでしょう。
カメラの設定「その他」から「エクスパート」 |
エクスパート モードでの各種設定
|
もしかすると 自分好みの使いやすいカメラアプリを別途インストールすれば解決するかもしれません。
4.簡易留守録機能がない
「Android端末には簡易留守録機能(伝言メモ)があるので キャリアの留守番電話オプション(有料)を契約しなくても大丈夫」と思い込んでいたのですが、OPPO Reno7に簡易留守録機能はありませんでした。
あらためて調べてみると、国産のAndroidスマホとGalaxyには「簡易留守録機能」はついているようなのですが、一部の海外製Androidスマホでは、ついていないものもあるようです。
出典:Androidユーザー必見!無料で使える伝言メモ機能の使用方法
OPPO Reno7にこの機能がないのは残念です。
ちなみにiPhoneは、どの機種でも「簡易留守録機能」はついていないため、キャリアが提供する留守番電話オプションを契約する必要があります。
OPPO Reno7の良い点は?
iPhoneSE第2世代と比べ、OPPO Reno7にして良かったと思える点は以下の3つです。
1.画面サイズが大きい
画面サイズが6.4インチもあると、スマホでNetflixやYouTubeなどの動画をみたときにかなり迫力が違います。実機で比較しないと大きさの違いがなかなかわかりづらいかもしれません。
iPhoneSEとOPPO Reno7を本体サイズだけで比較すると、Reno7のほうが多少縦長という印象になると思います。しかし、画面サイズを比較するとかなり印象が異なります。
iPhoneSE: 4.7インチ、Reno 7: 6.4インチは、それぞれ表示領域の対角線の長さです。実寸で比較すると以下のようになります。
本体サイズに画面表示領域を当てはめると以下のようになります。OPPO Reno7のほうは、本体サイズと同じくらい画面サイズがありますので、動画をみるときでもかなり印象が異なり、迫力があります。
また、Androidの仕様かもしれませんが、ブラウザでWebサイトをみたときに、「PC版サイト」も開くことができ、これはこれで重宝します。
2.バッテリーが長持ち
iPhoneSEは100%フル充電にしてもバッテリーが1日しか持ちません。バッテリー性能が落ちてくると夕方まで持たないこともあります。
一方、「OPPO Reno 7」は、途中充電しなくても2日間は持ちます。「電池残量大丈夫かな」と一日中気にしなくてよい開放感はなかなか良いものです。
3.SIMカードスロットが2つ
OPPO Reno7には、物理SIMカードスロットが2枚挿せます。
nanoSIMカード 1枚 | nanoSIMカード 2枚 |
これは、格安SIMを複数使い分けてスマホ代を下げようとする人にとって大変ありがたい機能です。
格安SIMには 得手不得手があり、すべての項目を満たす格安SIMは存在しません。(それらは、高い料金を払う通常のキャリアSIMになります)
そのため、格安SIMの欠点を複数SIMで補いあわせるために、SIMカードスロットが2枚あると便利です。
iPhoneでは、nano-SIMカード1枚とeSIMでデュアルSIMを提供していますが、eSIMは機種変更するときの持ち運びが不便(キャリアによっては有料)というデメリットがあります。
結論:買うならどっち?OPPO Reno7 vs. iPhoneSE第2世代
3万円台の格安スマホ対決、「OPPO Reno 7」と「iPhoneSE第2世代」のメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
機種 | OPPO Reno7 | iPhoneSE第2世代 |
画面サイズ | ○ | △ |
バッテリーの持ち | ◎(2日以上持つ) | △(1日は持たない) |
SIMカードスロット | ○(SIMカード2枚) | △(SIMカード1枚) |
ゲームの応答性能 | △ | ○ |
カメラの操作性 | △ | ○ |
Bluetooth接続 | △(一部機器で問題?) | ○ |
簡易留守録 | X | X |
どちらにも一長一短があり、スマホに何を期待するかで、どちらが実用に耐えうるかが人によって変わるでしょう。
Reno7のデメリットとして挙げた「ゲーム」「カメラ」「Bluetooth接続」などについては、私が設定を知らないだけで、もしかすると改善方法があるかもしれません。
特に設定などを気にせずにすべて満たしてくれる機種がほしければ、10万円以上かけてiPhone14か、ハイエンドのAndroid端末を購入するのがよいでしょう。
余談ですがOPPO Reno7は5G通信に対応しています。
いくつかのキャリアの5G対応SIMカードを挿して試してみましたが、私の生活圏内では5G通信ができるところはありませんでした。5G通信は 2022年11月現在、まだまだ身近なものではないようなので、この機能はまだスマホになくてもよいかもしれません。