大規模なキャッシュバックキャンペーンを展開し、着実に利用者を伸ばしているNURO光。
最大2Gbps(理論値)という圧倒的な回線速度、キャッシュバックを考慮した実質月額の安さを考えると向かうところ敵なしという印象もあります。
しかし、実際利用すると少々困ったことがありました。それが、NURO光から提供されるONU(光回線の終端装置) ZTE社のZXHN F660AのWi-Fi機能を利用するとネットワークが不安定になるという問題です。その対処方法を説明します。
1.Zoom会議が頻繁に落ちる!その原因は?
2.ONUは選べるの?交換できるの?
3.おすすめは、外付Wi-Fiルーターを追加すること
4.ZTE社製 ONUのWi-Fi機能を無効化する方法
5.ONUの交換を考える前に
1.Zoom会議が頻繁に落ちる!その原因は?
我が家が2021年1月にNURO光に乗り換えてからはや9ヶ月が経ちました。
(関連記事:NTTフレッツ光からNERO光へ乗り換えを決断!)
回線速度も速く、料金も安くなり、キャシュバックも貰えて いいことづくめだったのですが、1点困ったことがありました。
それは、Wi-Fi接続が不安定で、Zoom会議中に接続が頻繁に切れるという問題です。
「会議中に、突然通信が途切れ、数秒後にまた再接続」というのを何度も繰り返します。
はじめは、NURO光の回線の品質問題かと思ったのですが、たまたまある設定をしたときに、そうではないことに気づきました。
フレッツからNURO光に移行する前に、使っていたルーター Buffalo WHR-116DHP4があったので、NURO光のONUと 1000Base-Tの有線LANケーブルでつないでみました。
試しに、Baffaloのルーターに会社のパソコンを接続して Zoom会議に参加したところ、Zoom接続が途切れません。この状態で、F660AにWi-Fiで接続すると やはりZoomが頻繁に落ちます。
これはもしかするとNURO光のONU ZXHN F660AのWi-Fi機能に問題があるのかも・・・
ネットで検索してみると、ちがうアプリですが同様の現象を報告しているユーザーが複数います。
原因はどうやら、NURO光から提供されるONU(光回線の終端装置)のWi-Fi機能のようです。
NURO光では、以下のように「無線LANルーターは自分で用意しなくてもいいですよ。」という触れ込みだったのですが、このONUに限っていえば、Wi-Fi機能を使うのはやめたほうがよさそうです。
このONUの問題は、利用者の努力で解決できますが、そうではない、本当に要注意な問題は別にあります。
NURO光のメリット・デメリット ここがおかしい10の論点 本当に要注意なのは?
2.ONUは選べるの?交換できるの?
ハズレONUを避けることはできるのでしょうか?
NURO光では、現在以下のようなONUを提供しています。(2022/5/19現在)
出典:ご提供する機器に関して
スペックについては、2022/1/27更新の以下の記事を参考にしています。
NURO 光のONUはルーター機能を搭載!その種類と性能の違いを比較
機種 | 無線LAN下り最大通信速度 | 無線LAN規格 |
ZXHN F660T | 450Mbps | IEEE 802.11 a/b/g/n |
HG8045j | 450Mbps | IEEE 802.11 a/b/g/n |
HG8045D | 450Mbps | IEEE 802.11 a/b/g/n |
ZXHN F660A | 1300Mbps | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
HG8045Q | 1300Mbps | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
FG4023B | 1300Mbps | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
SGP200W | 1300Mbps | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
NSD-G1000T | 4800Mbps | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
ZXHN F660P | 4800Mbps | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax |
「ZXHN〜」で始まる機種は 中国の通信機器メーカー ZTE Corporationの製品
「HG〜」で始まる機種は、同じく中国のHuawei Technologies(ファーウェイ)の製品
「FG〜」で始まる機種は、台湾のSercomm Corporationの製品
「SGP200W」は、唯一日本のメーカー SYCLAYER社の製品
「NSD-G1000T」は、ソニーの製品です。
この一覧をみると、できるだけWi-Fi 6(802.11ax)に対応した製品や、ソニーなどの日本のメーカーの製品を送って欲しいと思うのが利用者の心理でしょう。
しかし、残念ながら新規加入のレンタル時には、ONUの機種を選ぶことはできません。
問題のあるZXHN F660Aは2022/4/1時点では一旦提供中止となっていましたが、5/19時点では再び提供されているようです。
これから加入される方がもしZXHN F660A以外の機種を受け取られた場合、このような問題は起きないかもしれません。
では、万が一ハズレONUを引いてしまった場合、ONUの交換をリクエストすることはできるのでしょうか?
以下のページを見る限りでは、電源の入るONUの交換は受け付けないことになっています。
ただし、「ONUの電源が入る場合、ご相談をテクニカルサポートデスクにて承ります」と書かれていますので、症状を技術的にきちんと説明できる場合には、対応してもらえるかもしれません。その場合、交換が有料の可能性もあります。
それとは別に、有料のオプションサービスもあります。2022年から提供を開始した「NUROスマートライフ」。初期費用5,500円、月額550円で、ソニー製のONU 「NSD-G1000T」を提供するというものです。NURO光の会員ページにログインし、「オプションサービス・利用状況」の欄から申し込むことができます。この機種はWi-Fi 6(802.11ax)に対応していますが、しょせんレンタル機器です。ここに何千円もかけるのが正しい選択かは、個人的にはちょっと疑問です。
同じお金をかけるのであれば、バッファロー、NEC、IODATAなどの国内メーカーのWi-Fi6対応ルーターを購入したほうが、よい気がします。万が一 将来NURO光から他のプロバイダーに乗り換えることになったときも使えるからです。
3.おすすめは、外付けWi-Fiルーターを追加すること
仮にONUを無料で交換してもらえるとしても、国産Wi-Fiルーターを購入して追加したほうがよいように思います。
理由は、国産ルーターには、ビームフォーミングやMU-MIMOなど、高速接続、複数端末からの同時接続をサポートする機能が整っているからです。NURO光で提供されているZTEのルーターには、この手の機能があるのか、ネットで検索してもあまり情報がありません。
ビームフォーミング | MU-MIMO |
スマホ、タブレットなどの子機側の位置や距離を判別し、電波を最適に届ける技術 | 複数端末の同時通信を可能にする技術 |
バッファローでも、エレコムでも、NECでも、性能の安定した国産Wi-Fiルーターは4,000円〜5,000円から購入できます。IPv6対応、ビームフォーミング、MU-MIMO対応など、基本的な機能が備わっており、初心者にも使いやすいので、ONU交換など煩わしいことをせず、手っ取り早く問題を解決したい場合にはおすすめです。
【2023年】春の新生活、買い替えに最適。簡単、はやわかり無線LANルーターの選び方。
選ぶならバッファローかNECか? 【2023年最新】Wi-Fi 6ルーターの選び方
現在 我が家では、2021年7月に買い替えたバッファローのルーター WSR-2533DHP3 を、ZTE製ONUに有線接続して使っています。
5GHz帯を利用したときに、ルーターと4m程度の近い距離では500Mbps以上、別フロアでも100Mbps以上でており、仕事でもプライベートでも特に不便を感じておりません。
NUROの契約は「NURO光 G2V」です。
2F(ルーター設置階)にてMacbook Air (M1, 2020)で接続 | 1F(ルーターと別の階)にてMac mini (M1 2020)で接続 |
さらに、クライアント端末がWi-Fi 6対応で、Wi-Fi 6対応の外付けルーターを用意できるなら、F660Aを交換しなくても通信速度800Mbps超えが可能です。
参考記事)【F660A vs. 外付Wi-Fiルーター】NURO光で夢の800Mbps超えを達成したのは?
もしONUのWi-Fi機能をつかっていて接続が途切れるなどの症状がでたら、これまで使っていた無線LANルーターか、新たに購入したものをONUに有線接続し、ルーターのWi-Fiに接続すれば問題は割と簡単に解決できます。
注)ただし、あまり古すぎるルーターを使うと、ファームウェアが自動更新されず、外部からのセキュリティ攻撃を受けやすくなるのでご注意ください。最近のウクライナ情勢に便乗して、海外からのサイバー攻撃も増えています。お使いのルーターのマニュアルを確認し、ファームウェアの更新が終了していたり、自動更新がされていないようであれば、ルーターの買い替えも検討ください。
【2022年】春の新生活、買い替えに最適。簡単、はやわかり無線LANルーターの選び方。
4.ZTE社製 ONUのWi-Fi機能を無効化する方法
Wi-Fiルーターを追加購入し、迂回する通信経路を作ったとしても、まだ注意が必要です。
両方のWi-fiルーターにWi-Fi接続できるようにしておくと、知らないうちに端末がZTE機器の方につなぎにいっていることがあり、また接続不良が起きてしまいます。
そこでこの際、悪さをするZTEの無線LAN機能を無効化することにしました。
その設定方法について備忘録を残しておきます。
まず、NURO光の機器一覧のページに掲載されているZXHN F660の取扱説明書を確認します。
無線LANに接続したあと、PCからブラウザで http://192.168.1.1と入力し、ログイン画面をひらきます。
ここでふと、ユーザ名とパスワードを知らされていないことに気づきます。オンラインのマニュアルにも書かれていません。
設置時にもらった箱を探し出し、中に入っていた簡易ユーザーガイドを確認します。
そこに書かれていたID・パスワードを入力すると、パスワードを変えるよう指示されます。
これが曲者で、指示された通り、英字・数字含む8桁以上にしてもエラーが出続けます。
試しに、英字大文字+英字小文字+数字の組み合わせで8桁にしたらパスワードが変更できました。
注意書きは正確に書いてほしいものです。
ログインしたあとの手順は以下の通りです。
1.左ナビから”LAN”をクリック
2.”無線LANを有効にする”のチェックを外す
3.右下の設定ボタンを押す
これで、Wi-fiが使えなくなり 接続が自動的に切断されます。
もし、この設定をしたあとにまたWi-fi機能を使いたくなったら、本体背面のRESETボタンを押せば、初期化できます。
ONUの交換を考える前に
外付けルーターを利用することで通信は安定しました。もしWi-Fi通信が頻繁に途切れるなどの症状がでたら、このZTEのONUの無線LAN機能を使うのはやめたほうが良いと思います。(ファームウェアのアップグレードで将来解決するのかもしれませんが)
ONU/Wi-Fiルーターの一体型を配っているのは、ルーターなどの通信機器に不慣れな人が困らないようにするためだと思いますが、逆効果のような気もします。
複数のクライアント端末を同時接続したときの、通信制御の挙動が不安定な印象をもちましたので、個人的には、ZTEのONUの無線LAN機能にはかなり不安を感じます。
「ONUのWi-Fi機能に問題があるなら、交換してもらうのは当然」と思う人もいるかもしれません。
実際、クレーマーかモンスターカスタマーのように、ONUの交換をサポート窓口に迫っている人も見受けられます。(本当かはわかりませんが)
ONUを交換してもらうには、ONUに不具合があることを明確に証明する必要があるでしょう。
「電源が入りません」といったわかりやすい症状であればいいのですが、今回のケースは再現性が難しく、私も「外付けルーターを使う」という対処療法にとどまっています。
ネットワークの問題の切り分けは、ITエンジニアでもなかなか難しく、恐ろしく骨が折れます。
ITに詳しくない人がトラブルシューティングするのはとても大変だと思いますし、あまりおすすめしません。
残念ながらNURO光のサポート窓口は、他のプロバイダーのように親切丁寧に対応してくれる感じではないようなので、設定をいろいろ変えたり、ログをとりながら、サポート窓口とやりとりするのは根気がいりますし、しんどいでしょう。
光回線側の機能は問題ないようですので、(問題あったらそもそもサービス提供できませんが)、外付けのWi-Fiルーターを挟んで、手っ取り早くWi-Fi通信を安定させるほうをおすすめします。
NURO光が提供しているONUのメーカーは、ファーウェイやZTEなど中国通信機器メーカーのものが多く、Wi-Fi機能についてはあまり多くを期待しないほうがよいと私自身は割り切ることにしました。
ONUを交換してこの手の問題は改善されるのか、NURO光のONUのアタリ・ハズレ論争について調べてみました。
参考記事)NURO光のONU: ZTE製ZXHN F660Pは”アタリ”で、ZXHN F660Aは”ハズレ”説は本当か?
ハズレ(?)ONUを引き当ててもNURO光の性能を最大限に引き出す方法として、以下のようなことも試してみました。