コロナ後の経済再開をにらんで、採用側も応募側も転職活動が活発になってきました。
特に外資系企業の動きが先行しているように思います。
外資系企業に転職したいと考えているならLinkedInは必須のツールです。
私自身、採用する側、応募する側、両方の立場を経験していますが、外資系企業への転職でLinkedInがなぜ必須ツールなのか説明します。
この度、4度目の転職が決まりました。
まさかこの歳で転職できるとは思っていませんでした。
本格的に活動しはじめてから2ヶ月でオファーレターをいただき、このあと1ヶ月後に退職&入社予定です。
実質活動期間は2ヶ月というスピード決着。
タイミングも良かったと思いますが、きっかけをつくってくれたのはLinkedInだと思っています。
外資系企業へ転職するときに私自身が実際に行った、LinkedIn活用法について紹介します。
<準備編>
0.英文Resumeの更新は必須
<職探し編>
1.募集中のポジションを検索する
2.転職エージェントや募集中の企業からのメッセージに対応する
<応募編>
3.採用担当者に連絡してみる(InMail)
4.会社の内情、募集の背景を調べる
5.紹介してくれる人を探す
0.LinkedIn 英文簡易Resumeの更新は必須
LinkedInの英文簡易Resumeは、常に最新にしておきましょう。
これは転職を意識していないときでも、外資系企業に在籍する、あるいは志す方は 普段から心がけておきたいポイントです。
ヘッドハンターや企業の採用担当者が募集職種に関連する特定キーワードで検索し、適任者を探す場合があります。
このようなときにきちんと検索にかかるよう、もれなく正確かつ簡潔に記入しておくことをお勧めします。
いろいろな職種・企業を経験している人は、
・その職種(企業)で勤務していた期間
・その職種の内容(英文2−3行で簡潔に; ただし重要なキーワードは外さないように)
を簡潔に。
1つの職種を5年ー10年と長く経験されている場合でも、長々と水増しして書く必要はありません。
たまに勘違いして長々と自分のやってきたことを書く人がいますが、これは採用する側から見るとマイナスイメージです。候補者を探している人は、ここであなたのすべてを知りたい訳ではなく(知れる訳もなく)、あくまで概略を知りたいだけなのです。読み手の気持ちになって簡潔な文章を心がけましょう。
1.募集中のポジションを検索する
通常は、LinkedInで最新の募集状況が検索できます。
一部の例外を除き、外資系企業で 公募をLinkedInに掲載しないケースはまずありません。
一部の例外とは、Country Managerなどのエグゼクティブの募集、あるいは一般社員・マネージャーの場合でも、現職の人がいるうちに後任を探している場合です。(本人が知っているケース、知らないケースがあります。)
LinkedInは検索条件を登録しておけば、該当する新規募集がでたときに上位に表示されますので転職活動中はたいへん重宝します。
2.転職エージェントや募集中の企業からのメッセージに対応する
LinkedInで英文Resumeを公開しておくと、転職エージェントや企業の採用担当者からメッセージが届くことがあります。
メッセージが届くときには2パターンあります。
1.現在募集中のボジションに応募を促すケース
2.いますぐ応募できるポジションはないが、今後募集がでたときに候補者としてつながりをもっておきたいケース
内容を確認し、興味がある企業、転職エージェントであればつながりをもっておいてもよいでしょう。
3.採用担当者に連絡してみる(InMailの活用)
一部の企業では、LinkedInの募集要項の中に採用担当者を掲載しているケースがあります。
その場合「求人掲載者にリーチしよう」 と右上に表示され、写真と氏名が掲載されています。
「リーチしよう」と言われても、LinkedInの無料アカウントでは、一次つながりでない人にメッセージを送ることができません。
「つながりリクエスト」を出して承認してもらい、一次つながりになってからはじめてメッセージを送ることができます。
そこで登場するのが、LinkedInの有料プランです。
月額2,990円のCareerプランや 月額5,990円のBusinessプランでは、一次つながりでない人にもInMailという機能をつかってメッセージを送ることができます。
この機能を使えば、興味あるポジションを出している企業の採用担当へ、一次つながりでない場合でもメッセージを送って募集内容について問い合わせることができます。
無料プラン
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Career
(就活プラン)
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Business
(ビジネスプラン)
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月額
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0円
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2,990円
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5,990円
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InMailクレジット
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不可
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5通/月
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15通/月
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プロフィールの無制限閲覧
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不可
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不可
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可
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過去90日間のプロフィール閲覧ユーザーを確認
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不可
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可
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可
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月額 約3,000円を高いと見るか、安いと見るかは、ひとそれぞれかとおもいますが、私は興味あるポジションで、採用担当者が掲載されていた場合には、Premiumプランを使って問い合わせをしました。
有料コースを利用するにしても、InMail 月5通までの「就活プラン」で十分かと思います。
4.会社の内情、募集の背景を調べる
LinkedInで表示される募集企業に所属しているメンバーに関する情報は、企業の内情を調べるのに役立つことがあります。
例えば、以下のような情報です。
・その企業の同じ部署にはどんな人がいるのか?(社歴で定着率を推測)
・その人たちの経歴は?(募集ポジションに求められるスキル・経歴の推測)
・日本法人の役職者は、どんな経歴の人なのか?(社風のチェック)
・過去に募集ポジションに就いていた人はどんな人?(スキル不足で離職したのか?別の理由なのか推測)
・過去その企業に所属したことがある人はどんな人?(在籍期間で離職理由を推定)
こうした情報を総合評価すると、
「スキルも経歴もある人が直近でそのポジションを退職している」–> 「上司とのあつれき、その他社内他部署となんらかの問題がある」
「同じ部署に所属しているのがジュニアメンバーばかりである」–>「人材の育成、スキル底上げを期待して募集している」
「2年以内に離職している人が多い」—> 「社風や企業全体になんらかの問題がある可能性」
などが見えてきます。
5.紹介してくれる人を探す
応募したい企業に知り合いがいれば、ぜひ紹介してもらいましょう。
紹介プログラムは 「Referral ( リファラル)」といい、どの外資系企業でも強化しているところです。
LinkedInの直接応募をする前に、その会社の社員に知り合いがいないか確認してください。
知り合いがいるかどうかは、LinkedInで会社名で検索し、社員を順番にみていくとわかります。つながりがある人がいればその旨表示されるはずです。
紹介された応募者は、Referralがあるとその後の面接が有利に進められます。
(面接のステップを1回省略できる、同じレベルの最終候補者が2名いた場合、Referral採用を優先する、など)
一方、紹介した社員には、その人が入社すれば、Referral Bonusがもらえます。通常は20万円前後です。
しかし、昨今のホワイトカラーの人件費高騰、採用難の状況から、海外の営業職などでは 一人入社させるたびに$10,000(約110万円)というボーナスを出す企業もあると聞きます。
外資系企業がReferralを強化してきた背景は、採用コスト削減の要素が大きいと思います。
転職エージェント経由で採用が成立した場合、採用企業はエージェントに20%程度の紹介手数料を払わなければなりません。たとえば年俸1,000万円の人をエージェント経由で採用した場合、採用元企業は200万円程度をエージェントに支払わなければならないのです。
年間大量の人材を採用する企業にとっては、このコストは馬鹿になりません。
そのため、特に知名度のある人気企業ほどエージェント経由の採用を減らす、もしくは廃止する傾向があります。
また、転職エージェント経由の採用よりも、Referral経由の採用のほうが、人材の質が高く、定着率や入社後の貢献度が高いというデータが見えてきたという要素もあるでしょう。
コロナ後の経済活動をにらんで、企業側も採用を再開しはじめました。
一方、雇用の先行き不安から転職を控えていた人たちも、転職活動に動き始めています。
世界的に「大転職時代」の幕開けと言われている中、「LinkedIn」というテクノロジーサービスを活用し、よりよいキャリアを築いていきましょう。