来年2月から始まる令和3年度の確定申告。
今回は、e-Taxに挑戦してみようと、マイナンバーカードを使って事前セットアップに挑戦。しかし、見事にトラブルにハマってしまいました。
Macユーザーがe-Taxで確定申告を行う際の注意点と回避方法について説明します。
(2021年12月28日時点)
国税庁の確定申告書等作成コーナーのサイトによると、申告書の提出方法は大きく3つあります。
これまでは、パソコンで作成して印刷し、郵送で提出していました。
しかし、紙やインクがもったいないし、簡易書留で400円以上取られるので、e-Taxでできないかと考えたのです。
今回は、フリマアプリで購入したICカードリーダーや、マイナンバーカードが読み取れるiPhone SE第2世代もあります。説明を読めば、なんかできそうな気がします。
しかし、いざやってみると、次から次へと問題が発生します。
パソコン上級者の自負があり、意地になってやってみましたが、
最後にMacユーザーではどうにも解決できない問題にぶつかり挫折。
別の方法でできないか 回避策を探っている状況です。
なにが大変だったのか、記録に残しておきます。
2023/1/14 注記) 令和3年度確定申告コーナーで2022年1月から開始された「スマートフォンを使用してe-Tax」の方法を使えば、「ICカードリーダライタを使用してe-Tax」の方法で遭遇する数々のシステムトラブルを回避できます。詳細についてはこちらを参照ください。 |
Macユーザーが e-Taxを利用するときの問題点
1.Macで使えるブラウザは Safariのみ
2.事前準備セットアップ アプリが必要
3.Safariの拡張機能を有効にするのにも一苦労
4.ルート証明書のインストールも大変
5.結局、Safariのバージョン問題で挫折
1.Macで使えるブラウザは Safariのみ
国税庁の推奨環境のページによると、Windows環境の場合は Microsoft Edgeや、Firefox、Google Chromeなどが使えますが、Macの場合は、Safariのみです。しかもバージョンによる縛りがあることがあとからわかり、これが挫折の決め手となりました。
*2 OSがmac OS 10.14(Mojave)・mac OS 10.15(Catalina)・mac OS 11(Big Sur)の場合におけるブラウザの推奨環境は、Safari 14.0のみが対象となります。(2021.12.28現在)
追記)2022.1.4より、確定申告サイトがSafari 15.0に対応しました。
2.事前準備セットアップ アプリが必要
まず、最初に立ちはだかった壁は、「事前セットアップアプリ」なるものの存在です。
「必要なインストールおよび設定をまとめて行うことができる便利なツールです」と書いてあります。
しかし、やってみて感じたのは、「とてもじゃないが初心者にできる作業ではない」ということです。
「必要だけど非常に面倒なインストールおよび設定をまとめて行うことができるツールです」と言い換えたいくらいです。
これをインストールすると「アプリケーション」–>「eTax」の下に以下のようなパッケージが展開されます。
3.Safariの拡張機能を有効にするのにも一苦労
「事前セットアップアプリ」インストール後、最初に遭遇したのは、以下のようなエラーです。
せっかくインストールしたe-Taxソフトを、Safariの拡張機能でオンにできないという問題です。
Appleのサイト(Safari で機能拡張を有効にすることができない場合)によると、「macOS Catalina 以降のOSでは、悪意のあるソフトウェアが Safari の機能拡張を有効にするようにユーザを誘導しないよう阻止するセキュリティ機能が導入されました。」とのこと。
仕方ないので、「shift」キーを押しながら Mac を起動し、Mac をセーフモードで起動して Safariの拡張機能でチェックボックスにチェックをいれてから Macを再起動します。
4.ルート証明書のインストールも大変
次に「事前準備セットアップ アプリ」をインストールしたあとにでてきた、「ルート証明書インストール手順」をもとに、2つの証明書をインストールしなければなりません。
(scrootca2. der) と (pfwsr3ca.der )の2つを同じ手順でインストールします。
手順自体はそれほど難しくありませんが、Macのキーチェーンの設定を変えなければならず、初心者向けではありません。
5. 結局、Safariのバージョン問題で挫折
ここまで苦労してたどり着きましたが、ブラウザのところで判定結果は△が出続けます。
構わずに「次へ」ボタンを押し続け、なんとかパスワード入力画面にたどりつくも、
結局でるエラーメッセージは同じで先に進めません。
ネットで記事を調べてみると、MacユーザーはSafariのバージョン問題で、e-Taxができなくなる問題は毎年起こっている模様です。
先の推奨環境の表では、Safari 14.0が必要になります。それは推奨といいつつ、絶対条件のようなのです。
現在 Mac OS Big SurやMontleyをインストールしてしまっている場合、Safariのバージョンは 15.x。
Safariを古いバージョンに戻すには、Mac OSをリカバリモードで古いものに戻すか、Time Machineでとっておいたバックアップから古いSafariをインストールしか方法はなさそうです。この時点で無理ゲーになってしまい、ギブアップです。
6.解決方法はあるのか?
Safariのブラウザ バージョン問題を解消できない限り、Macパソコンで、マイナンバーカードとICカードリーダーを使ってe-Taxというのは無理そうです。
解決策はないのでしょうか?
3つの提出方法のうち、「ID・パスワード方式」に突破口がありそうです。
「ID・パスワード方式」では、税務署から発行される「利用者識別番号」と自分で設定したパスワードでe-Taxを行います。
その前に、「利用者識別番号でe-Taxを行います」という届け出を行っておく必要があります。
届け出の方法は、
1.税務署に出向く
2.自宅で行う(マイナンバーカードとICカードリーダーが必要)
の2通りがありますが、#2をMacパソコンで行うと 先と同じトラブルに見舞われます。
しかし、#2で、スマホをICカードリーダーとして使し、マイナポータルで連携設定をすると 問題は回避できそうなのです。
(詳細)
今日、12月28日は、e-Taxのシステムが夕方からメンテナンス停止に入るようで、1月3日まで使えません。
また、「令和3年分の確定申告書等作成コーナーは、令和4年1月4日(火)公開予定」とのこと。(リンク)
年内は時間切れとなってしまいましたが、Safariバージョン問題が解消されているのか否か?年明け1月4日から、再挑戦したいと思います。
2022年2月12日追記:
Mac M1チップとICカードリーダー、マイナンバーカードで確定申告の完全電子化に成功しました。詳細な手順はこちら↓
相当手強かったMac M1での確定申告/e-tax 完全電子化全手順を解説