事前準備をしていれば1時間で終了! 令和6年度オンライン確定申告の注意点

確定申告・etax

年明けから令和6年度の確定申告がオンラインで可能になっています。確定申告のシステムは毎年少しずつ改善されていますが、入力項目が多く、手順に慣れていないとかなり手間取ってしまいます。令和6年度の確定申告を手早く済ませるために、手続きにおける準備と注意点について説明します。

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今年もやって来た確定申告

年明け1月6日(月)から 国税庁の確定申告書等作成コーナーは稼働しています。確定申告の時期は「令和7年2月17日(月)から同年3月17日(月)まで」とされていますが、還付申告については、令和7年2月14日(金)以前でも行えます。私は毎年、ふるさと納税の寄付金控除証明書が出揃い次第、1月中に申告と納税を済ませています。

思えば令和3年度に、初めてMacでe-Taxをやろうとしてドハマりしてからすでに4年が経過しました。

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あの頃は、システムがSafariブラウザの最新バージョンに対応していなかったり、原因不明のログインエラーで無限ループに陥ったりと、特にMacユーザーにとっては相当ひどいシステムでした。

しかし、少しずつではありますが、確定申告のシステムも手続きも毎年進化してきて、当時に比べればだいぶ楽にオンライン申告ができるようになりました。

とは言っても事前の準備が大切で、準備を怠るとはじめから入力し直しとなってしまいます。令和6年度の確定申告を、以下の内容・方法で行う場合の注意点について説明します。

  • 個人の所得税還付申請
  • マイナンバーカード連携
  • スマホ読み取り

事前に準備するもの

確定申告の還付申請を手早く済ませるには事前準備が大切です。私は以下のものが揃ってからネット上で還付申請を行い、1時間程度で作業を終えることができました。

マイナンバーカード

確定申告をネット上で完結させたい場合にはマイナンバーカードを使った方が断然便利です。マイナンバーカードを使わない場合には「税務署で発行されたIDとパスワードを利用するe-Tax」か「書面を印刷して郵送する」方式しか使えません。

マイナカードは、「申告書を作り始めるとき」と、「申告書作成後、インターネットで納税手続きを行う時」に必要となりますが、「利用者確認番号」と呼ばれる4桁数字の暗証番号を求められるので、事前に確認しておくことが必要です。

マイナカードを読み取り可能なスマホ

以前はe-Taxをするためだけに数千円もするICカードリーダーをわざわざ購入して利用していた時代もありました。現在ではスマホでマイナカードを読み取れるようになりましたので、ICカードリーダーは不要です。iPhoneの場合には、2016年に発売されたiPhone 7以降、Androidでも最近発売されたほとんどの機種は、マイナカード読み取りに対応しています。読み取り可能なスマホ機種についての詳細は、マイナポータルのサイトにあります。

ふるさと納税の寄付金控除に関する証明書(XMLファイル)

証明書のXMLファイルは、ふるさと納税で数多くの自治体に寄付した人が、寄付金控除を申告する場合には欠かせないファイルです。寄付先の自治体が5件以下の場合には、ワンストップ特例制度が使えるので申請は面倒ではありません。しかし、6件以上の寄付先がある場合には、このファイルがないと寄付先1件ごとに入力する必要があります。

私が利用している「ふるさとチョイス」では、「チョイススマート確定申告」という仕組みが提供されています。今年は1月15日 12時から申請を受付け、2024年分からは XMLファイルが即時発行されるようになりました。昨年までは申請してしばらくしてからXMLファイルが発行されていたので、さらに便利になっています。

株式売却の計算書

特定口座で税金に関する処理を証券会社が自動的にやってくれない場合は、こちらの準備も必要です。私の場合は勤め先の関係で海外の証券会社に株式を持っているのでその売却の損益計算書を事前に用意しています。海外の証券会社での取引といっても、売買に関する証明書を取り寄せる必要はなく、自身で売却益をきちんと計算して正しく申告できていれば問題ないと考えています。不審な取引があれば海外の金融機関でも税務署は調べられますので。実際、オンライン確定申告中に、証券会社で発行された証明書の添付は求められません。

先物取引の損益報告書

今年新たに発生した作業は、先物取引の証明書、具体的にはFXの取引結果の入力です。FX会社から発行される「年間損益報告書」をもとに取引損益に関する数値を入力します。

非常に残念ですが 2024年はFXで大きな損失を出してしまいました。この損失は株式の売却利益と合算して計算できないので、今年の税金の納付額や還付金額には影響しません。ただし2025年以降にFXで利益を上げることができた場合には、去年のFXでの損失と合算して納税額を抑えられます。

出典:国税庁 「先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除

2025年以降に向けた申告になります。

令和6年度の変更点・注意点

さて、今年の相変わらず macユーザーはブラウザにはSafariしか使えず、Google Chromeを使うとエラーになっていまいます。それ以外の変更点・注意点は以下の2つです。

  • 過去の年分のデータを利用
  • XMLファイルの読み取りタイミング

過去の年分のデータを利用

今年から、過去の年分のデータを読み込んで申告書を作成できるようになりました。昨年作成したデータをもとに今年の申告書を作成できるので、入力項目が多少なりとも削減できます。

確定申告 過去の年分のデータ

XMLファイルの読み取りタイミング

今年のe-Taxで注意が必要なのは、XMLファイルの読み取りタイミングです。

XMLファイルで提供された「ふるさと納税の寄付金証明書」や「生命保険の控除証明書」などをe-Taxでの確定申告時に読み込む場合があります。これらの電子ファイルは、申告書を作成しはじめる前の準備段階でしか読み込むことはできないので注意が必要です。

XMLファイルの読み込み

収入、株式譲渡益、先物取引などを入力した後、いざ寄付金控除を入力する段になって、XMLファイルを読み込もうとしても、読み込めません。(たしか去年までは、寄付金控除の入力時にXMLファイルを読み込めたような気がします)今年のシステムでは、こうなってしまうと、数十件の寄付先を手で入力するか、最初からe-Tax確定申告をやり直すしか方法がありません。この点だけは注意が必要です。

手順概要

マイナンバーカードをつかったe-Taxを行う場合の大まかな手順は以下の通りです。私の場合は、マイナポータルから連携して取得するデータはないので、「連携しないで申告書等を作成する」を選択します。

マイナポータル連携の選択

(所得税;過去の年分のデータを利用する場合;スマホのマイナポータルアプリをインストール済)

パソコン上で確定申告書等作成コーナーから作業開始

  • スマホのマイナポータルアプリで 指定のQRコードを読み込む
  • スマホでマイナカードの利用者証明用パスワード(数字4桁)を入力
  • スマホでマイナカードを読み取り

*** 以下は、パソコン上での作業 ***

過去のe-Tax申請で登録されている個人情報を確認

過去の年分の確定申告書データの読み込み

xmlデータの読み込み(ふるさと納税の寄付金控除証明書など)

申告する所得の選択(給与、株式等の譲渡、先物取引)

源泉徴収票をもとに「給与所得」欄を更新

株式の譲渡所得、配当などを入力

先物取引に係る雑所得等を入力

扶養控除やマイナンバーなどを確認

申告書の提出(オンライン)

インターネットバンキングでの支払い

作業は多いように見えますが、事前に必要な書類を準備しておけば、あとは指定された欄に数字をいれていくだけなので、慣れれば1時間程度で終了します。まあ、年1回しかしないことなので、毎年作業し始めは 記憶が飛んでおり、多少はもたついてしまいますが。来年の自分に向けた備忘録として、手順と注意点を書き残しておきます。