現代社会において、スマホは欠かせない存在となりました。最近ではスマホの2台持ちをする人も増えています。スマホ活用の最終形ともいえる、「デュアルスマホ / クアトロSIM」(2台のスマホそれぞれにデュアルSIM、合計4枚の格安SIM)をおすすめする理由について解説します。
スマホ活用の最終形
2022年10月からスマホの端末や料金体系を最適化する試みをしてきましたが、ついに最終形にたどり着きました。それは、2台のスマホそれぞれをデュアルSIMにして利用するというものです。
私の場合、2台のスマホというのは、2023年10月に手に入れたiPhone 15 Proと、2022年10月から利用しているOppo Reno7です。
iPhone 15 Pro | Oppo Reno7 A |
これら2台のスマホに、全く異なる4種類の格安SIMを使い分けて それぞれをデュアルSIMにしています。2台のスマホと4枚の格安SIMの割当は以下の通りです。
iPhone 15 Pro | Oppe Reno 7 | |
データメイン | IIJmio (au回線) | NUROモバイル(SoftBank回線) |
データサブ(緊急用) | 日本通信SIM(docomo回線) | povo 2.0 (au回線) |
音声メイン | 日本通信SIM(docomo回線) | (どちらでも可。通常は使わない) |
MVNO格安SIMやキャリア回線の選び方はかなり工夫しました。
1つのスマホには、異なるキャリア回線の格安SIMをいれており、特定のキャリアで通信障害が発生しても、別のキャリアでスマホ利用を継続できるようにしています。
また、料金プランについても最も価格が安くなるよう組み合わせを工夫しています。
その結果、2台のスマホのデータ容量合計が11GBで、月額合計が 税込2,270円となりました。
格安SIM | キャリア回線 | プラン名 | 月額料金(税込) | データ容量 |
IIJmio | au | ギガプラン | 990円 | 5GB |
日本通信SIM | docomo | シンプル290 | 290円 | 1GB |
NUROモバイル | SoftBank | VMプラン | 990円 | 5GB |
povo 2.0 | au | 0円 | 0GB | |
合計 | 2,270円 | 11GB |
また、万が一、ギガが足りなくなった場合でも、1GBあたり220円で追加できるような格安SIMを選んでいます。(IIJmio / 日本通信SIM は、220円/1GBで追加チャージ可能。NUROモバイルは 550円/1GB, povo 2.0は、390円/1GB、24時間無制限は 330円)
私の場合、毎月10GB以内でデータ容量が足りることが多いですが、もし今後データ利用が増えて毎月20GB必要な場合には、以下のように変更しようと思っています。
格安SIM | キャリア回線 | プラン名 | 月額料金(税込) | データ容量 |
IIJmio | au | ギガプラン | 990円 | 5GB |
日本通信SIM | docomo | シンプル290 | 290円 | 1GB |
NUROモバイル | SoftBank | VLLプラン | 1,790円 | 15GB |
povo 2.0 | au | 0円 | 0GB | |
合計 | 3,070円 | 21GB |
「1台のスマホに20GBの大容量の格安SIM(ahamo)をいれて、もう一方のスマホにはテザリングする」という方法も試みましたが、テザリングのON/OFFを切り替えるのも面倒ですし、2台のスマホ間の距離が少し離れただけでテザリングができなくなるケースもあって不便なので、両方のスマホに格安SIMをいれることにしました。
スマホ2台持ちをおすすめする理由
さて、このような構成にした理由ですが、スマホを日常生活の様々な用途で利用していく中で、1台では事足りないことが多かったからです。具体的には以下の2つの理由がありました。
どのスマホでもバッテリーは一日持たない
iPhone 15 Proに変えても期待はずれだったのが、「結局バッテリーは1日もたない」という点です。平日は、動画視聴、サイト閲覧、決済アプリ利用など、休日は動画撮影、Googleマップ、ゲームとヘビーな利用の仕方をしていると、iPhone 15 Proといえでも、途中充電なしでは一日を過ごせないのです。
これがAndroidのOppe Reno 7を手放さず、スマホ2台で運用しようと考えた理由の1つです。
iPhoneとAndroidにはそれぞれ得手不得手がある
Androidを1年間使ってから iPhoneに戻って改めて感じたのは、「iPhoneとAndroidにはそれぞれ得手不得手がある」という点です。
iPhone 15に変えてよかった点は、Macとの連携がしやすい点です。iPhoneで撮影した写真や動画をAirDropで簡単にMacパソコンに共有できるのは重宝します。
一方 iPhoneを利用していてイマイチとおもうことの1つが、デュアルSIMに関する仕様です。物理SIMカードを1枚しか入れられなかったり、デュアルSIMを利用しようとしても、APNの構成ファイルを1つしかインストールできない点などは非常に不便です。docomoやSoftBankなどのキャリア本体のSIMカードはAPN構成ファイルは不要のようですが、格安SIMでは通常APN構成プロファイルのインストールが必要となります。
Androidでは、物理SIMカードを2枚入れられますし、APN設定も複数保持することができます。
その他、利用用途によって、iPhoneとAndroidスマホの向き不向きがあります。私の場合は、iPhoneとAndroidスマホを以下のように使い分けるようになりました。
iPhone 15 Pro | Oppo Reno7 |
写真撮影 | 動画視聴 |
動画撮影 | Googleマップ(ドライブ時) |
日常決済 | 記事閲覧 |
ゲーム(ハイスペック) | ゲーム(ロースペック) |
スマホ2台持ちにして用途によってスマホを使い分けると別のメリットもでてきます。2台スマホをもっているとバッテリーを2つ持っているのと同じこととなり、バッテリー容量が2倍になります。そのため、スマホをヘビーに使っても、1日の途中でスマホのバッテリー容量を気にする必要がなくなるのです。
デュアルSIMをおすすめする理由
「1台のスマホでプライベート用と仕事用でSIMカードを使い分けたいからデュアルSIMにする」という人もいると思います。しかし私がデュアルSIMをおすすめする理由は、最適なサービスを最も安く手に入れるためです。
格安SIMでは、毎月のデータ量、月額料金、通信速度、通話料、オプションサービスなど様々な組み合わせで各社サービスを提供しています。しかし、費用が安い一方、1つの格安SIMで自分の希望がすべて叶うことはなかなかありません。
そのような場合、別の特徴をもった複数の格安SIMを組み合わせることで、問題を解決できることがあります。
例えば、
「ある時間帯につながりにくい場合」や「特定のキャリアで通信障害が起きたとき」でもサービスを利用し続けたい場合には、異なるキャリアの格安SIMを複数もっておけばよいですし、
「通話料金を安くし、データ使用料金も安くする」ことが1枚の格安SIMで実現できない場合には、「通話料金が最安の格安SIM」と「データ使用料金が最安の格安SIM」を組み合わせてデュアルSIMにすればよいのです。
デュアルSIMを利用するときの注意点
異なる格安SIMを組み合わせて、自分好みの通信サービスをつくれるデュアルSIMですが、iPhoneで行う場合にはいくつか注意点があります。
iPhoneでデュアルSIMができるのは以下の機種からです。(出典:Apple)
iPhone XR、iPhone XS、iPhone 11、iPhone 12、iPhone 13、iPhone SE(第2世代)、およびiPhone 14以降 | 1つの物理的なSIMと1つのeSIM |
iPhone 13、iPhone SE(第3世代)以降 | ・1つの物理的なSIMと1つのeSIM
・2つのeSIM |
デュアルSIMにおけるiPhoneの最大の特徴は、物理SIMカードが1枚しか使えないということです。
このiPhone特有のデュアルSIMの仕様によって起こる問題は以下の2点です。
SIMの切り替えが面倒
「iPhoneで、格安SIMをつかいデュアルSIMを行う」ときに発生する問題があります。それは、SIMの切り替えが面倒であるということです。具体的には SIMカードを切り替える度に、APNの構成プロファイルをインストールしなおさなければなりません。この問題は、
- 格安SIMでは、APN構成プロファイルのインストールが必要
- iPhoneでは、同時に1つのAPN構成プロファイルしかインストールできない
という仕様から起こります。
docomo, au, SoftBank本体のSIMカードであれば、APN構成プロファイルのインストールが不要で、この問題が発生しないようです。(出典:Apple コミュニティ)
あくまで 2つの格安SIMを iPhoneでつかう場合のみに発生する問題です。
Androidスマホでは、複数のAPN構成プロファイルをインストールできますので、デュアルSIM運用時でもスムーズにSIMの切り替えが行なえます。
機種変更のときのeSIM再発行手数料
Android端末では、物理SIMカードのスロットを2枚使える機種も多いため、機種変更するときでも、物理SIMカードを抜き差しすれば、簡単に機種変更ができます。
しかし、iPhoneでは、物理SIMカードが1枚しか使えないため、もう一方のSIMは必然的に eSIMにする必要があります。このeSIMは、自分で勝手に抜き差しできません。
そのため、デュアルSIM運用しているiPhoneで機種変更するときには、通信事業者に申請して、新しい機種用のeSIMを再発行してもらわなければなりません。
このeSIM再発行時に 手数料が必要となる格安SIMがあるため注意が必要です。
通信事業者 | eSIM再発行手数料 | 参照 |
IIJmio | 0円 | リンク |
日本通信SIM | 1,100円 | リンク |
NUROモバイル | 440円 | リンク |
povo 2.0 | 0円 | リリース |
povo 2.0も昨年から、SIMカード再発行手数料を有料にしましたが、eSIM再発行手数料は無料です。
こうした制約があるため、私の場合は以下のような設定にして運用しています。
スマホ機種 | 通信事業者 | SIMタイプ |
iPhone 15 Pro | IIJmio | eSIM |
日本通信SIM | SIMカード | |
Oppo Reno7 | NUROモバイル | SIMカード |
povo 2.0 | eSIM |
こうしておけば、機種変更のとき、あるいは、2台のスマホの間でSIMカードを入れ替えたいときでも最小限の手間とコストで運用できます。