MacBookのデータ移行を行うときに必要となるTime Machineによるバックアップ。はじめる前に必要なのが外付けストレージの初期化とTime Machine用のパーティション作成です。たまに使うと意外と忘れてしまっているMacOSの「ディスクユーティリティ」と「Time Machine」の使い方を説明します。
MacBookデータ移行の準備
「ディスクユーティリティ」で選ぶべきファイルシステムは?
「ディスクユーティリティ」によるストレージ初期化
「ディスクユーティリティ」によるパーティション作成
「Time Machine」によるバックアップ
MacBookデータ移行の準備
7月8日の予約開始直後にM2 MacBook Airを申し込んだ人は、7月15日の発売開始以降、いつ本体が届くのか心待ちにしていることでしょう。気の早い人は、届いたらすぐにデータ移行できるように、古いMacBookのバックアップを取り始めているかもしれません。
MacBookのデータ移行の方法はいくつか考えられますが、一般的なのが、外付けHDDへのバックアップとリストアでしょう。
参考)Macbookのデータ移行。最も早く乗り換えができるおすすめの方法は?
現在では、外付けストレージとしてHDDだけでなくSSDも一般化していますので、より高速にデータ移行が可能となっています。
さて、私のように普段本体のバックアップをとっていない人は、この何年に一度のバックアップ行事に必要となる「ディスクユーティリティ」と「Time Machine」の使い方を忘れてしまっています。
まずは これらをつかうときに必要となる知識 MacOSのファイルシステム についておさらいしましょう。
ディスクユーティリティで選ぶべきファイルシステムは?
MacOSの「ディスクユーティリティ」で外付けストレージを初期化しようとしたときに戸惑うのは、「どのファイルシステムでフォーマットすればいいの?」ということです。
メニューには8つも選択肢がでてきます。
ファイル名の大文字/小文字を区別するかどうか、暗号化をするかどうかを除くと、以下の3種類に分かれます。
APFS(Apple File System) | macOS 10.13以降で使用されているファイルシステム |
Mac OS拡張(ジャーナリング) | macOS 10.12以前で使用されているファイルシステム |
MS-DOS(FAT)およびExFAT | Windowsとの互換性があるファイルシステム |
出典:Macのディスクユーティリティで利用できるファイル・システム・フォーマット (Apple社)
結論からいうと、APFS、もしくはAPFS(暗号化)でよいのではないかと思います。
私の場合は、MacBook本体には、人に見られて困るような大事なデータは入れていないので、Time Machineで取得する本体のバックアップには暗号化の必要性があまりありません。
小型で持ち運び便利な外付けSSDをつかっていて、紛失したときに閲覧されると困るような場合には、APFS(暗号化)を選んだり、Time Machineでバックアップを取得するときに暗号化を選択すればよいでしょう。
先のAppleのサイトによると、APFSにはコンテナという概念があり、以下の注意点があるようですが、ここでは詳細については割愛します。
APFSは、オンデマンドでコンテナ(パーティション)内にディスク領域を割り当てます。1つのAPFSコンテナに複数のボリュームが含まれる場合は、コンテナの空き領域が共有され、必要に応じて個々のボリュームに自動的に割り当てられます。必要に応じて、各ボリュームの予約容量と割り当て容量を指定できます。各ボリュームはコンテナの一部のみを使用するので、利用可能領域は、コンテナ全体のサイズからコンテナ内のすべてのボリュームのサイズを差し引いた値になります。 |
「ディスクユーティリティ」によるストレージ初期化
「ディスクユーティリティ」を使うときに注意したいのは、2つの表示モードです。
「ボリュームのみを表示」にしている状態で、個々のボリュームに対して「消去」ボタンを押しても、個々のボリュームの初期化しかできず、ストレージ本体を初期化できません。
以前利用したことがあるストレージは、複数パーティションをに切っている可能性があり、注意が必要です。
メニューから「すべてのデバイスを表示」に切り替え、ルートメニューにあるストレージ(通常は購入したメーカーの製品名が表記される)を選んでから、初期化作業をはじめます。
ボリュームのみが表示されている場合、ボリュームを消去しても、ストレージ全体の初期化はできません | |
ディスクユーティリティのメニューで「表示」–>「すべてのデバイスを表示」に切り替えると・・・ | |
HDD/SSDなどのストレージ本体が表示されるようになります。こちらに「消去」をかけると、ストレージ全体が完全に初期化されます |
フォーマットは APFS
方式は「GUIDパーティションマップ」を選択し、「消去」ボタンを押せばOKです。
初期化直後はこのような形になります。
[quads id=6]
「ディスクユーティリティ」によるパーティション作成
ここからパーティションの切り直しです。
Time Machineは、ディスク容量あるだけ使い切る性質があります。
外付けストレージに、バックアップデータ以外のデータを保存したい場合には、パーティションを切っておく必要があります。
例えば、1TBの外付けSSDをもっていて、Time Machine用に300GB、その他のデータに700GBに分ける といった感じです。
左ナビで外付けストレージ(SSD/HDD)を選んだ状態で、右上の「パーティション作成」ボタンを押します。
こんな注意喚起ウィンドウが表示されますが、「ボリュームを作成」ではなく、「パーティションを追加」を選択します。
以下のウィンドウが表示されますので、
「名前」を書き換え(この場合は “Data”)、
「サイズ」欄で 分割したサイズに変更して
左下の「+」ボタンを押します。
再度、確認ウィンドウが表示されますが、「パーティション作成」ボタンを押します。
「Time Machine」によるバックアップ
MacOSには「Time Machine」の名前のアイコンが2つあります。
1つは、Appメニューの「その他」の中にある「Time Machine」。
こちらは、すでにTime Machineでバックアップが取られているものをリストアするときに使います。
もう1つは、「システム環境設定」の中にある「Time Machine」。
バックアップに使うのはこちらの「Time Machine」です。
Time Machineによるバックアップ手順は以下のようになります。
「ディスクを選択」ボタンを押し、さきほど作成したパーティションのうち、「Time Machine」で利用するボリュームを選択します。
右端にある赤い (i) マークをクリックすると
|
|
以前 Time Machineでバックアップを取得したことがある場合には、前回のバックアップを継承するか、新規バックアップにするか聞かれます。
まったくの新規で取りたい場合には、「新規バックアップを作成」をクリックします。
|
|
「TimeMachine」を使用するのを停止して、かわりに”TimeMachine”を使用しますか?
という意味不明なメッセージが表示されていますが、これは、前回のバックアップボリュームにも今回のボリュームにも”TimeMachine”という名称をつけたことによります。
新規に取得する場合には、「”TimeMachine”を置き換える」をクリックします。
|
|
バックアップが開始されます。 |
MacBook AIr M1で100GBのデータを外付けSSDに取得した場合は、30分弱で終了しました。
前回、MacBook Air early 2015のデータを同じ条件(100GBのデータを外付けSSDへ)でバックアップしたときは、2時間程度かかりました。
バックアップの所要時間は、外付けストレージへのデータ転送速度だけでなく、MacBook本体の性能にも大きく依存するようです。