ワインがよくわからない初心者のうちは、「お買い得ワインセット」というものに惹かれ、つい買ってしまうことがあります。しかし、このお買い得ワインセットは、よく調べないと「安物買いの銭失い」になり、買って後悔する可能性があります。
Vivinoのワインデータベースを活用した、損しないワイン選びの方法を説明します。
1.果たしてそのセットは本当に”お買い得”なのか?
2.そのワインコンクールの賞に意味はあるのか?
3.セットワインの実態をVivinoで調べてみる
4.結論
1.果たしてそのセットは本当に”お買い得”なのか?
「金賞受賞ワインが○本入り」
「1本あたり ○○円」
「単品合計○○円が ○円(30%OFF)」
「お買い得ワインセット」を紹介するのによく使われる文言です。
最近、某ショッピングサイトのワインショップで、以下のような宣伝がされていました。
(画像をそのまま引用すると問題あるので、文言を拾って再現しています)
このバナーをみて気になったのが以下の3点です。
1.「金賞」ってそもそも権威ある、意味ある賞なのか?
2.ボルドーワインが1本あたり 750円っておかしくないか?
3.単品合計価格は税込(22,400円)なのに、販売価格は税抜(9,000円)で紹介するのか?
「なんかちょっとおかしいな」と思っても、ソムリエでもワイン輸入業者でもない、ワイン初心者である私達には具体的に指摘するだけの知識と経験を持ち合わせていません。
そんな私達の強い味方が、ワイン評価アプリのVivino。
テクノロジーの力を借りて、変なショップに騙されず、優良ワインを選んで、ワイン生活を楽しみましょう。
ソムリエいらずのワイン選び〜ワイン検索アプリのおすすめはVivino
2.そのワインコンクールの賞に意味はあるのか?
私も以前、○○賞受賞ワインを何度か購入し、がっかりしたことがあります。
あくまで個人的な経験則ですが、ほとんどのワインコンクールの受賞歴は ワインのおいしさとは無関係と思います。
酒類の輸入卸販売をおこなう「ローヤルオブジャパン」のサイトにワインコンクールの一覧をまとめたリストがありました。
これによると、先のショップが掲げていた金賞のコンクールは以下のようなものです。
1989年にフランスのパリで創刊されたワイン専門の ガイド誌。毎年数回ソムリエを含むプロのテイスターが 出品アイテムを試飲し採点を行う。評価点が80点以上 を獲得したものに金賞が与えられる。
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1956年にボルドー地方の農業商工会議所が創設して 始まったボルドーワイン専門の品評会。審査員はボル ドーワインの生産者、醸造家等の経験豊かなプロが行な い4千以上の出品数で金賞を獲得出来るのは約10%。
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フランスのブルゴーニュ地方、マコン地区で開催される ワインコンクール。ギネスにも登録されている最大級の のコンクール。9千アイテム以上のフランスワインが出 品されワイン専門家が審査。金賞は僅か8%内外。
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これらの賞が、ワインのおいしさの証明にどれだけ影響があるのか、我々初心者にはわかりません。
また、2006年と古いブログ記事ですが、以下のような懸念を示されている方もいます。
一部引用させていただきます。
現在の世界のワインショーの実態は、確かに権威があると目されるいくつかのワインショーも存在しますが、多くは誰が主催しているのか、どういう選考をしているのか、誰がジャッジになっているのかなどについて、ほとんど説明不能のワインショーも横行しているようです。なかには特定の、単一あるいは複数のワイナリーと利害関係が一致した業者グループが、ワインのプロモーションの一環としてワインショーを仕立てる、ということもおこなわれているようです。かくして『ワインショー』もワイン同様次々に増産されていきます。そこではワインの品質が吟味されるということは、表向きは『ある』ことになっていますが、実は『ない』のでしょう。
『金賞受賞ワイン』あるいは『銀賞受賞』『銅賞受賞』と書いておけば、消費者は言うに及ばず、流通関係者もありがたがってワインを買ってしまう(仕入れてしまう)という構図は確かに存在しているようです。
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ワインを購入する初心者は、このような実態を理解した上で、ワインを選んだほうがよいと考えます。
3.セットワインの実態をVivinoで調べてみる
そんなワイン初心者の我々にも、ワイン評価の神アプリ “Vivino”という強い味方があります。
このワインセットに含まれているワインを、Vivinoで調べるとどのようなことがわかるのか見てみましょう。
1
Chateau TAUZION BORDEAUX 2020
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Score: 2.9/5 (10)
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コメントが10人、日本人だけというのが気になります。現地フランスでは飲まれていないということでしょうか?
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2
Chateau GUILLEOT PREAISANCE 2018
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Score: 3.6/5 (138)
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Vivinoで表示された平均販売価格は813円です。これを税込1870円でと言われても・・・
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3
Chateau LES MARIAS BORDEAUX
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Score: 3.3/5 (115)
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海外の方もコメントしていますが、あまり良い評価がされていません。
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4
Chateau LES RIGANES 2017
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Score: 3.5/5 (67)
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全ヴィンテージでは554件もの評価がありました。2013年は4.1/5 (22)と高い評価を受けていますが、近年はあまり良い評価をうけていないようです。
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5.
Chateau LE VIEUX CHENE 2018
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Score: 3.7/5 (187)
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これも全ヴィンテージで631件もの評価があり、平均スコアは3.5/5です。この2018年ものは、他のヴィンテージより少し評価が高いようです。
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6.
Chateau ROC DE MINVIELLE 2019
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Score: 3.1/5 (129)
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海外と日本のコメントが半々といったところでしょうか?Vivinoユーザーの間の平均購入価格は 1,000円でした。
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7
Chateau MOULIN DE LAVERGNE 2019
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Score: N/A
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2016年もので 3.2/5 (15)の評価があるだけで、近年は評価がありません。
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8
Chateau MOULIN DE POURGUEY GRANDE CUVEE 2020
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Score: 3.5/5 (10)
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こちらも日本人による評価しかありませんでした。
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9
Chateau PUJOS 2019
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Score: 3.3/5 (37)
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こちらもほぼ日本人による評価です。
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10
Chateau BARADE 2019
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Score: 3.2/5 (49)
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日本人の評価も混じっていますが、海外のレビュアーの評価があまりよろしくありません。
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11
Chateau LAFORET PIMOUGUET 2018
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Score: 3.3/5 (14)
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海外の方の評価をみると、お手軽価格のお手軽ワインのようです。
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12
Chateau Plessis 2019
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Score: N/A
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2019年ヴィンテージの評価はありません。2018年ものに 3.5/5 (66件)の評価がありました。
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4.結論
さて、これらのvivinoの検索結果をみて皆さんはどう感じられたでしょうか?
私は初めてvivinoで調べてみたとき、「金賞受賞ワイン」と聞いてイメージしていたものと全く異なり、大変驚きました。
ボルドーの評価の高い赤ワイン(Vivinoで 3.9/5.0以上)は 最低でも2,000円〜3,000円します。
「ボルドーワインが1本あたり 750円(税込825円)」と聞いて思い浮かべるのは、スーパーのワインコーナーに並んでいる1本1,000円前後のワインです。
Vivinoの評価を見る限り、「本来は1本数百円のワインに 定価1,870円もの値をつけて、さも値引きされ、お買い得であるかのように見せかけている」と思わざるを得ません。
何をおいしいと思うかは、人によって差があるので、数百円のボルドーワインを買うことが悪いとは思いません。
質より量を求める人には、お買い得になるのでしょう。
量より質を求める人には、ちょっと不向きなようにおもいます。少なくとも私は買いません。
もし10,000円近くも出せるのであれば、5,000円以下で1本、これは というものを買いたいですね。
例えば以下のようなものです。AEON de WINEで購入できます。
Chateau Lilian Ladouys St Estephe 2016
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Score: 3.9 (1515件)
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パーカーポイント91点獲得!ラズベリー、春の花の香りとビターカカオ、スギ、サンダルウッドのとてもアロマティックな香りです。
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