勝ちグセがついたFXトレード|次の一手は?
こうなると来月以後もこの勢いを継続したいというのが人情ですが、実は正直、なぜ急に勝てるようになったのか、自分でもはっきりわかっていません。もちろん、思い当たる節はいくつかありますが。そこで、取引履歴を可視化しながら自分のトレードを分析し、今後の勝利をより確実にしたいというのが本記事の主旨です。
トレード履歴を可視化・分析するには?
FXトレードに私はMT5をつかっています。MT5のレポートには、時間、銘柄、売買Type、Lot数、始値、終値、スワップ、損益が記載されており、分析に必要な情報はそろっています。しかし、1発注ごとに行が分かれており、1つのトレードで複数玉をいれたときなどには、トレードごとの傾向は掴みづらくなっています。
そこで先日は、MATLABなどのプログラミング言語でデータをある程度加工した上で、グラフで可視化することを試みました。
FXトレードの傾向をデータサイエンスで分析してみた|脱EXCEL プログラミング
そこで感じた問題点は、一般的なプログラミング言語は、データの可視化・分析機能についてはそれほど得意ではないという点です。例えば、グラフの特定箇所をドリルダウンして分析したいとおもったときに、またプログラムを書かなければならず、作業が非常に面倒なのです。
そこで、データの可視化・分析を得意とするBIツールがないかどうか探してみました。
BIツールとは?
「BI」は、Business Intelligenceの略で、BIツールとは 企業に大量に蓄積しているデータから必要な情報を集約・分析し、経営や業務に活用できるようにするツールのことです。
BIツール(BIサービス)とは?機能や目的、種類などわかりやすく徹底解説!(出典:ITトレンド)
一般的に言われているEXCELとBIツールとの違いを簡単にまとめると以下のようになります。(一部私見も入っていますし、PythonやMATLABなどのプログラミング言語との違いも入れました)
EXCEL | プログラミング言語 | BIツール | |
大容量データの取り扱い | 1シートあたり最大 1,048,576 行まで | 100万行超えても問題なし | 100万行超えても問題なし |
異なるデータソースの統合 | スプレッドシート,CSVのみ | コードを書けば可能だが、手間がかかる | スプレッドシート,CSV以外のシステムからのデータ統合が可能 |
データの前処理 | 難しい | コードを書けば、複雑な処理でも可能 | ローコードで設定可能? |
データの可視化・分析 | ピボットテーブル、グラフ化機能 | グラフ化機能もあるが、作成に手間がかかる | グラフ作成、データのフィルタリング、結果のドリルダウンが容易 |
一般の個人がFXトレードで100万行超えるデータを扱うことはないと思いますので、EXCELでも十分ではないかと思う人もいるかもしれません。しかし、EXCELでは、例えば「複数のLotのMT5履歴から、同一時間帯のトレードをひとまとめにして分析する」といった複雑な処理はできません。こうした複雑なデータ加工処理はプログラミング言語のほうが得意です。
しかし、一方でプログラミング言語には、グラフ作成機能が弱く、簡単にレポートが作成できないという弱点もあります。その反対に、EXCELではピボットテーブルとグラフ機能を駆使すればレポートを作成することはできます。しかしEXCELは、データの可視化・分析に特化したツールではないため、操作性に今ひとつ不満が残ります。
それが、今回BIツールに着目した理由です。
BIツールの種類と対応OS
さてそうした背景から、無料、もしくはできるだけ費用がかからないBIツールを探してみます。BIツールには、Metabaseなどのオープンソースのツールも出ていますし、Microsoft PowerBI Desktopか、Googleが買収したLookerというツールもあります。
参考記事)無料のBIツール9選!有料製品との違いや注意点、オープンソースBIも紹介 (ITトレンド)
プログラミング言語をあまり知らない人でも使えるツールであること、ネットや書籍で入手できる情報の多さから考えると、事実上、「MicrosoftのPower BI Desktop」 一択になると思われます。
Power BI Desktop | Looker Studio | |
提供元 | Microsoft | |
対応OS | Windowsのみ | Windows, Mac他 (クラウドのためすべてのOSに対応) |
情報の多さ | 書籍、動画など多数 | 情報は少ない(エンジニア向け?) |
ただ、「Power BI Desktop」には、Macユーザーにとって重大な問題があります。それは 「Power BI Desktop」は、Windows OS上でしか利用できないことです。かつてMacユーザーがよく経験した、「使いたいソフトウェアがMacに対応していない」ケースがこんなところにもまだ残っていたのです。
最終的に取った方法は?
さて、そうなるとなんとかWindowsOSが動く環境を手に入れる必要があります。一般的に、MacユーザーがWindowsソフトウェアを使いたいときに取る方法は大きくわけて3つあります。
方法 | メリット | デメリット |
仮想化ソフトウェアを利用する(Parallels Desktopなど) |
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VPSを利用する |
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Windows パソコンを用意する |
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今回は、たまたまWindows ミニPCが手元にあったため、3番目の方法「Windowsパソコンを用意する」をとることにしました。
しかし、Windows パソコンにモニター、マウス、キーボードをつないでMacとは別に作業するのは非効率です。Mac上でシームレスに操作できるように、Windows 11がもつリモートデスクトップの機能を利用しました。(参考:リモートデスクトップの使い方/ Microsoft)
実際の構成図は以下のようになります。
普段は、Mac mini M2 Proに3台のモニターを接続していますが、そのうちの1台のモニターを、Microsoftリモートデスクトップ機能を接続しているときだけ、Minisform UN1245のWindows画面に切り替えます。Power BIは、こちらのWindowsパソコンで起動し、Mac経由で画面操作します。
ちなみにMicrosoftの「リモートデスクトップ機能」を利用するには、Windows OSは、Windows 11 Proである必要があります。 Windows 11 Home版では、リモートデスクトップ機能は利用できませんのでご注意ください。もし、Windows 11 Home版を間違って購入してしまった場合でも、比較的安価にWindows 11 Proにアップグレードする方法があります。Amazonなどで販売されているDSP版ライセンスを使えば、Windows 11 HomeにProのライセンスキーをいれるだけで、ほとんど手間なくWindows 11 Proにアップグレードできます。
Windows 11 / 10 両用 日本語版 (Pro) (Amazon)
さて、実際に構築したPower BI の環境で、トレード履歴を分析した結果を次の記事で紹介します。