Macのノートパソコン、デスクトップパソコンは接続できる外付けディスプレイの台数が限られており、購入後に拡張はできません。Macパソコンは、一体何台の外付けディスプレイを接続できるのか、機種ごとに調べてみました。
MacパソコンはCPUの種類によって ディスプレイの数が決まる
Apple社が公開している以下のようなサポート記事には、Macのどのパソコンが、何台の外付けディスプレイを接続できるのか書かれています。しかし機種ごとに説明がわかれていて、Macの機種を知らない人には、非常にわかりにくく感じます。
しかし、よく調べてみると、Macパソコンに接続可能な外付けディスプレイの数には、シンプルで明確なルールがあります。
それを決めるのは「CPUの種類」です。
現在Appleシリコンチップの最新版はM2ですが、M2チップには、M2、M2 Pro、M2 Max、M2 Ultraという性能の異なる4種類のチップがあります。
表示できるディスプレイの数は、実はこのCPUの種類によって決まるのです。CPUごとに表示可能なディスプレイの数は以下のようになります。
チップの種類 | 表示可能なディスプレイの数 |
M2チップ | 2つ |
M2 Proチップ | 3つ |
M2 Maxチップ | 5つ |
M2 Ultraチップ | 8つ |
ここで注意しなければいけないのは、「表示可能なディスプレイの数」がそのまま「接続可能な外付けディスプレイの数」にはならない点です。
「表示可能なディスプレイの数」は、ノートパソコンの場合、内蔵ディスプレイを含めた数になります。
ノートパソコンの場合には、「表示可能なディスプレイの数」を内蔵ディスプレイで1つ使ってしまいますので、「外付けディスプレイの数」は、「表示可能なディスプレイの数」から1引いた数になります。
ノートパソコンとデスクトップパソコンに分けて、チップの種類ごとに接続可能な外付けディスプレイ の数をまとめた表が以下になります。
チップの種類 | 表示可能なディスプレイの数 | ノートパソコン | デスクトップ |
M2チップ | 2つ | 内蔵ディスプレイ 1 + 外付けディスプレイ 1台 |
外付けディスプレイ 2台 |
M2 Proチップ | 3つ | 内蔵ディスプレイ 1 + 外付けディスプレイ 2台 |
外付けディスプレイ 3台 |
M2 Maxチップ | 5つ | 内蔵ディスプレイ 1 + 外付けディスプレイ 4台 |
外付けディスプレイ 5台 |
M2 Ultraチップ | 8つ | 外付けディスプレイ 8台 |
外付けディスプレイの数はあとから変更できない
Macユーザーのよくある後悔は、 「購入後にハードウェアの性能を上げることができない」という点です。 例えば、
- CPUの性能を上げておけばよかった
- ディスク容量を増やしておけばよかった
- メモリーを増やしておけばよかった
そう思っても、 Windowsパソコンと異なり、macの場合は後からハードウェアの増設・改良をすることができません。
同じことが外部モニターの接続数でも起こります。Windowsパソコンと異なり、Macパソコンは、ビデオカードは増設できません。したがって、接続できるディスプレイの数を購入後に増やすことはできません。
CPU、ディスク、メモリーについては、Macユーザーであれば、あとから変更ができないことはわかっていますので、購入前にかなり慎重に検討することでしょう。しかし、CPUの種類に依存する「接続可能な外付けディスプレイの数」は、CPU、ディスク、メモリーそのものの性能と違い、macユーザーでも購入前の確認がおろそかになりがちです。
複数の外付けモニターを使って作業を効率よく行いたいと思っている人は、あとから後悔しないよう、「接続可能な外付けディスプレイの数」を購入前に十分確認することが必要です。
外付けディスプレイの台数とMacの機種
それでは 接続したい外付けモニターの台数が決まっている場合、 macのどの機種を購入すればよいのでしょうか?外付けモニターの台数ごとに具体的に調べてみましょう。
外付けディスプレイ1台
外付けディスプレイを1台だけつなぎたい場合には、Macbook Airで十分です。
MacBook Airは、 macのパソコンの中では最も価格が安い製品です。
通常のM1/M2チップは ディスプレイ表示可能数が「2」です。 内蔵ディスプレイで一つ使ってしまいますので、 外付けモニターは一台しか繋げません。
Macbook Air (M1チップ) | Macbook Air (M2チップ) |
メモリ8GB、SSD 256GB、13インチ | メモリ8GB、SSD 256GB、13インチ |
参考価格(2023/8/11) 134,800円~ | 参考価格(2023/8/11) 164,800円~ |
外付けディスプレイ2台
Macパソコンで外付けモニターを2台つなげたい場合には、 ノートパソコンのM2 Proチップを使ったMacbook Proか、デスクトップパソコンのmac miniを購入する必要があります。
Macbook Proを購入する場合には、注意が必要です。Macbook Proには、CPUに「M2チップ」と「M2 Proチップ」「M2 Maxチップ」を使った3種類の機種があります。外付けディスプレイを2台つなげたい場合には、「M2 Proチップ」をつかったMacbook Proを購入する必要があります。
「M2 Proチップ」をつかったMacbook Proを使うと、内蔵ディスプレイをいれると3つのディスプレイを使えることになりますが、外付けディスプレイで使えるのは2台までとなります。
MacBook Pro (M2 Proチップ) | Mac mini (M2チップ) |
メモリ16GB、SSD 512GB、16.2インチ | メモリ8GB、SSD 256GB |
参考価格(2023/8/11) 348,800円~ | 参考価格(2023/8/11) 84,800円~ |
外付けディスプレイ3台
外付けモニターを3台つなぎたい場合には M2 Proチップを使った Mac miniを購入する必要があります。
ノートパソコンでは該当する機種はありません。3台以上の外付けモニターをつなごうとすると、更に上位の機種MacBook Pro(M2 Maxチップ)が 必要になり、外付けモニターを4台もつなげてしまうため、オーバースペックとなります。
Mac mini (M2 Proチップ) |
メモリ16GB、SSD 512GB |
参考価格(2023/8/11) 184,800円~ |
外付けディスプレイ4台
外付けモニターを4台つなぎたい場合には M2 Maxチップを使った Macbook Proを購入する必要があります。
「M2 Maxチップ」をつかったMacbook Proを使うと、内蔵ディスプレイをいれると5つのディスプレイを使えることになりますが、外付けディスプレイで接続できるのは4台までとなります。
デスクトップパソコンでは該当機種はありません。4台以上の外付けモニターをつなごうとすると、更に上位の機種Mac Studio(M2 Maxチップ)が必要になり、外付けモニターを5台もつなげてしまうため、オーバースペックとなります。
Macbook Pro (M2 Maxチップ) |
メモリ32GB、SSD 1TB、16.2インチ |
参考価格(2023/8/11) 498,000円〜 |
外付けディスプレイ5台
外付けモニターを5台つなぎたい場合には Mac Studio(M2 Maxチップ)を購入する必要があります。
Macのデスクトップパソコンには、「Mac mini」「Mac Studio」「Mac Pro」があります。
Mac mini | Mac Studio | Mac Pro |
「Mac Studio」は、Macのデスクトップパソコンの中では、中級機種となりますが、「M2 Max」もしくは「M2 Ultra」という高性能CPUを使っており、プロのクリエイターの利用にも耐えうる圧倒的な性能を誇っています。値段も最低でも30万円近くします。「M2 Ultra」チップを使った機種では、外付けディスプレイを8台(!)も接続することができます。
ノートパソコンMacbookでは M2 Ultraチップを搭載した機種がないため、外付けモニターを5台以上接続できるものはありません。
Mac Studio(M2 Maxチップ) |
メモリ32GB、SSD 512 GB |
参考価格(2023/8/11) 298,800円~ |
(詳細) |
まとめ:Macパソコンの外付けディスプレイの台数
Macパソコンの外付けディスプレイ対応状況を、ノートパソコン、デスクトップパソコンごとにまとめると以下のようになります。
デスクトップパソコンは以下の通りです。
デスクトップパソコン | 外付けディスプレイの数 | 税込価格 |
Mac mini | 2台 | 84,800円~ |
Mac mini (M2 Proチップ) | 3台 | 184,800円~ |
Mac Studio(M2 Maxチップ) | 5台 | 298,800円~ |
Mac Studio(M2 Ultraチップ) | 8台 | 598,800円~ |
ノートパソコンは以下の通りです。
ノートパソコン | 外付けディスプレイの数 | 税込価格 |
MacBook Air (M2チップ) | 1台 | 134,800円~ |
MacBook Pro (M2 チップ) | 2台 | 178,800円~ |
MacBook Pro (M2 Max チップ) | 4台 | 498,800円~ |
以上をまとめると、Macパソコンの場合は、CPUの種類によってサポートできるディスプレイ数が固定されています。内蔵ディスプレイに1台分使用されていると、外付けディスプレイには、(CPUがサポートする台数 -1 )台分しかサポートできなくなります。内蔵ディスプレイ+外付けディスプレイの数は、CPUの種類のみによって決まります。特定メーカーから販売されているディスプレイアダプターを利用すると、外付けディスプレイの数を増やす裏技もあるようです。しかしAppleの公式サポートではないので、macOSの仕様変更あったときに動かなくなるリスクもあります。購入・利用する場合には、あくまで自己責任で。