2023年6月26日をもって、OCNモバイルONEの新規契約が終了しました。これにより、月間データ量3GBを超える格安SIM選びが非常にむずかしくなっています。月額1,000円台で5GB-10GBのデータ量を確保できる、高品質な格安SIMについて調べてみました。
外出が増えるにつれて必要になるのがギガ
2023年5月8日に、新型コロナウィルスが5類感染症になり、行動制限が緩和されました。外出の機会も増え、友人との会食や家族旅行を楽しむ人も増えていることでしょう。そうなってくると必要になるのがスマホのデータ容量(ギガ)。在宅勤務がほとんどだったときには 毎月1,000円未満、3GB未満で済んでいたものが、外出が増えるにつれて3GBを超えるギガが必要になります。昔に比べると公衆Wi-Fiスポットは増えているとはいえ、どこにでも存在するわけではありません。公衆Wi-Fiスポットがない、通勤途中の電車の中などは、暇つぶしでインスタや動画などを見がちで、多くのギガを使います。
そうかといって、毎月3,000円近く払って20GB近い大容量をいきなり確保するのも、節約志向のユーザーには気が引けます。
1,000円〜2,000円の間で、3GB以上のデータ容量を確保できる格安SIMがほしいところです。
意外と少ない? 中容量で高品質の格安SIM
ところが、この「1,000円〜2,000円の間で、3GB以上のデータ容量を確保できる、格安SIM」を探すのが意外と難しいのです。その原因は以下の3つの理由によります。
大手キャリアのほとんどが3GB以下 or 大容量で最適化されている
格安SIMには、大手キャリア(docomo, au, SoftBank)が提供しているサブブランドがあります。
これらは、回線速度やつながりやすさなどの通信品質はよいのですが、値段が高めなのが難点です。
UQmobileやY!mobileなどは、最近になって光回線やでんき料金とのセット割での安さをアピールしています。一見すると安いように見えますが、セット割がない場合の料金は他のサブブランドと大差ありません。以下の料金は それらの「セット割」がない状態での料金体系です。
格安SIM | 回線 | 3GBの料金(円) | 20GBの料金(円) |
Y!mobile | SoftBank | 2,178 | 3,278 |
ahamo | docomo | 2,970 | |
UQmobile | au | 2,365 | 3,278 |
LINEMO | SoftBank | 990 | 2,728 |
povo | au | 990 | 2,700 |
これらの格安SIMは、「3GB以上で1,000円台」という中間の料金プランはありません。
月間3GBを超える場合には、いきなり 3,000円近くの料金を払って20GB近いデータ容量を手に入れる必要があります。
例)LINEMOのプランは2つのみ |
大本命のOCNモバイルONEは 2023/6/30で新規受付終了
実は 大手キャリアのサブブランドと同等の通信品質で、3GB以上のデータ容量を1,000円台で提供する格安SIMがありました。「OCNモバイルONE」がそれなのですが、残念なことに2023年6月26日で新規受付を終了してしまいました。
OCNモバイルONEは、「3GBで 990円」だけでなく、「6GB 1,320円」という価格帯もあり、かつ、通信品質が格安SIMにしては非常に良かったので 本当に残念です。
OCNモバイルONEの価格体系は、中容量もカバーしており理想的だった |
5GB〜10GBのMVNO系格安SIMも存在するが・・・
さて、そうなるとMVNO系格安SIMでさがす必要がありますが、単純にデータ容量と料金で選んではいけません。「通信品質がいまいち」ということが頻繁に起こるからです。
例えば、私が試した中では、
- 楽天モバイルは 私の生活圏内ではつながらず、すぐに解約しました。
- HISモバイルは、通話料が30秒9円というのは魅力的なのですが、ビルの地下などときどき繋がらない場所がありました。
- mineoは、平日の昼と夕方の時間帯にQR決済が遅く感じるくらい、通信速度が遅くなる点が問題でした。
もちろんこれらの格安SIMは、利用する地域によっては不自由なく利用できる可能性もあります。実際に試してみないと”当たり”と”はずれ”がわからないのが、格安SIM選びの難しいところです。
そのあたりの体験記については以下の記事に書いています。
価格とデータ容量だけで選ぶと失敗します|意外と難しい!月5GB〜10GB使える格安SIMの選び方
本当に使える格安SIMはどれ?人気・注目の8社を実際に使ってみた結果は?
おすすめは、日本通信SIM
さて、そうなると、通信品質が安定していて、3GB以上20GB未満の料金が1,000円台の格安SIMはないのでしょうか?
OCNモバイルONE亡き後、最有力候補になると見ているのが、日本通信SIM、もしくはNUROモバイルです。
日本通信SIMもNUROモバイルも、みんそく(みんなのネット回線速度)の格安SIMの通信速度ランキングで調べてみると、平均ダウンロード速度が 40Mbpsを超えており、通信速度ランキングでは常に上位に位置しています。
通話料金については、NUROモバイルは 22円/30秒なのに対して、日本通信SIMは、11円/30秒と半額です。
そのため、以下では、日本通信SIMについて詳しく調べてみます。
日本通信SIMでは、複数の料金プランがありますが、毎月5GB〜10GB利用する人におすすめなのは、「合理的シンプル290プラン」もしくは、「合理的みんなのプラン」です。
その中でも、毎月のデータ使用量が3GB〜6GBの間で変動する人におすすめのが、「合理的シンプル290プラン」です。
月額基本料金は290円。この中に1GBのデータ容量が含まれています。
超過データ料金は、1GBあたり220円と明快な料金体系です。この料金体系であれば、例えば毎月6GB使っても1,390円、他の格安SIMに比べても最安値レベルの料金です。通話料も30秒11円というのも、30秒22円が多い他の格安SIMの半額です。
月間データ容量
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料金(円)
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1GB
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290
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2GB
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510
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3GB
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730
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4GB
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950
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5GB
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1170
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6GB
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1390
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もし、毎月6GB以上のデータを使うことが確実な場合には、「合理的みんなのプラン」を契約すると、更にお得になります。合理的シンプルプランで 6GBのときと同じ 1,390円で 10GB使えて、かつ70分までの無料通話が含まれているからです。
日本通信SIMのお得な契約の仕方
唯一注意が必要なのは、初期手数料です。日本通信SIMでは、各プランの申し込みには、3,300円の初期手数料がかかります。これは、SIMカード・eSIMともに同じ金額です。(詳細)
ほんの気持ちですが、この手数料を安くする方法があります。
amazonや、一部家電量販店で販売されているスターターパックを購入するのです。2,900円で販売されていますので、400円ほど安くなります。
この方法をとる場合の注意点は、ネットで直接契約するよりも、契約完了までの日数がかかることです。スターターパックを入手するまでの日数に加えて、申し込んでからSIMカードが届くまでの日数(通常4営業日)がかかります。
実際つかってみてどうだったのかは、このあとレポートします。