ChatGPTやBardはおすすめ格安SIM探しにどこまで使えるのか?

AIで格安SIM探し 後悔しない格安SIM

おすすめ格安SIM探しは、信ぴょう性に乏しい情報が拡散していて正しい回答を得るのが難しい問題の1つです。今はやりのAIチャットボットであるChatGPTやBardでどこまで正解に近づけるのか試してみました。

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AIチャットボットで格安SIM探し

ChatGPTやBardといった巷で話題のAIチャットボット。これまでのAIチャットポットと異なり、複雑な問題に対しても的確に回答してくれるものとして人気が高まっています。

さて、これらのAIチャットボットはおすすめ格安SIM探しに使えるでしょうか?

おすすめ格安SIM探しは、従来の検索だけでは正しい回答を得るのが難しい問題の1つです。その理由は、アフィリエイト(広告収入)を目的として意図的に特定の格安SIMに誘導する記事が多数存在し、正しい比較がされていないことが多いからです。また、割引やキャンペーンを含めたときの各社の料金プランが複雑で、単純比較がしにくいというのも1つの理由になります。

こうした複雑な問題に対して、最新のAIチャットボットはどこまで正解に近づけるのでしょうか。

今回テストに利用したAIチャットボットは「ChatGPT」と「Bard」の2つです。

ChatGPT https://chat.openai.com/ 2022年11月にOpenAIが公開
Bard https://bard.google.com/ Googleが公開した会話型人工知能。2023年5月からアメリカ英語、日本語、韓国語に対応

ChatGPTについては、英語圏ではかなり正確な回答が出ており、教授が学生のレポートに利用を禁止するなどの話題になっています。その実際の力量はどのくらいなのでしょうか?

また、ChatGPTに対応する形で Googleが急遽リリースした「Bard」も ChatGPTを上回る性能ではないかと期待が集まっています。

両者の実力を「おすすめ格安SIM探し」で試してみます。

質問と期待する回答

今回は利用者が多い、「月間データ3GB未満で、通信品質がよく、料金が安い格安SIM」を探してみます。AIチャットボットでは、質問の仕方により回答の出来具合が変わるので、質問文は試行錯誤が必要です。

多少の試行錯誤の末、ChatGPTとBardに以下のまったく同じ質問を投げかけてみました。

月間データ容量3GB未満のプランで、月額料金が最も安く、かつ通信品質がよい格安SIMを料金が安く評価が高い順に7つ、おすすめポイントも含めて教えてください。

結果が正しいかどうかの比較には以下の結果を利用します。これまで多くの格安SIMを試し、通信品質や料金プランを考慮した最新の結果です。
本当に使える格安SIMはどれ?人気・注目の8社を実際に使ってみた結果は?

この結果を踏まえると、今回のテストでAIチャットボットに期待している回答は以下の通りです。

順位 格安SIM 3GB月額
1 OCNモバイルONE 990円
2 LINEMO 990円
3 povo2.0 990円
4〜6 mineo、日本通信SIM、NUROモバイルなど 990円
7 楽天モバイル 1,024円

4位以下の格安SIMは、正直似たりよったりなので細かい順位は気にしなくてよいでしょう。正しい候補を複数挙げられるか、何を根拠におすすめしてくるかが、AIの性能の評価のポイントになります。

楽天モバイルは 3GB月額が他社より高いですが、なにか理由があって上位におすすめしてくるのであれば、その根拠が正しいかどうかで回答の良し悪しを判断します。

それでは実際の回答をみてみましょう。

ChatGPTの回答

この質問に対するChatGPTの回答は以下の通りでした。

月間データ容量3GB未満のプランで、月額料金が安くかつ通信品質が高いと評価の高い格安SIMプロバイダを、料金が安い順に7つご紹介いたします。以下のプロバイダは、コストパフォーマンスが優れており、通信品質も良いと評判です。
LINEモバイル
月額料金が非常に安く、初期費用や解約金も無料です。
安定した通信品質と高速なデータ通信が特徴です。
LINEのサービスとの連携や特典もあります。
ワイモバイル(ゼロスタイル)
月額料金が非常に低価格で、コストパフォーマンスが優れています。
利用者の通信量に応じて自動で最適なプランに切り替わる「ゼロスタイルプラン」が特徴です。
通信速度や通話品質にもこだわっており、快適な通信体験を提供します。
BIGLOBEモバイル
月額料金が非常に競争力があり、お得なプランが揃っています。
通信品質が安定しており、快適な通信環境を提供します。
利用しやすいウェブサイトやアプリがあり、設定変更やサポートも充実しています。
エコモバイル
月額料金が手頃で、コストパフォーマンスが高いと評価されています。
通信品質にも定評があり、安定した接続性を提供します。
利用者の通信量に応じたプランバリエーションがあります。
nuroモバイル
月額料金がリーズナブルで、安定した通信品質を提供します。
データ容量に合わせたプランバリエーションがあり、利用者に合わせた選択が可能です。
初期費用や解約金が安く、柔軟な契約プランが魅力です。
UQモバイル(ユーキューモバイル)
月額料金が手頃で、安定した通信品質を提供します。
多様なプランがあり、通話料金やデータ容量に応じて選択できます。
初期費用や解約

途中で回答が切れているのはご愛嬌です。

ChatGPTの回答の根拠となる学習データは、2019年までにネット上に存在した情報であると言われています。

LINEモバイルは、2021年からLINEMOに変わったので、「LINEモバイル」という回答はある意味仕方ないと言えるでしょう。

また、auの格安SIM「povo 2.0」もサービス開始は 2021年3月ですので、ChatGPTでは拾えません。楽天モバイルも正式サービス提供は 2020年4月以降なので、リストにはあがってきていません。

2016年1月にサービス開始したOCNモバイルONEを拾い切れていないのは、料金プランの変更が2019年以降にあったからかもしれません。

「エコモバイル」という会社を挙げてきているのは謎です。格安SIM比較ではあまり目にしません。

いずれにしても、変化が激しいスマホ業界で 2020年〜2023年までの変化が拾えないのは致命的です。

情報にはかなり欠陥があり、ChatGPTに格安SIMに関するアドバイスを求めるのは難しそうです。

Bardの回答

さて、Googleが提供する最新AIチャットボット「Bard」はどうでしょうか?

月間データ容量3GB未満のプランで、月額料金が最も安く、かつ通信品質がよい格安SIMを料金が安く評価が高い順に7つ、おすすめポイントも含めて教えてください。

この質問に対するBardの回答は以下の通りでした。

月間データ容量3GB未満のプランで、月額料金が最も安く、かつ通信品質がよい格安SIMを料金が安く評価が高い順に7つ、おすすめポイントも含めてご紹介します。
LINEMO(ラインモ)
月額料金:990円(税込)
データ容量:3GB
通信速度:最大3Mbps(3G回線相当)
おすすめポイント:
月額料金が安い
LINEのギガ消費ゼロ
5分かけ放題
povo(ポヴォ)
月額料金:0円(基本料金)
データ容量:3GB
通信速度:最大1Mbps
おすすめポイント:
基本料金が安い
トッピングでデータ容量を追加できる
24時間使い放題が330円
楽天モバイル
月額料金:1,980円(税込)
データ容量:3GB
通信速度:最大1.5Gbps(5G回線相当)
おすすめポイント:
データ容量が使い切っても最大1Mbpsで通信可能
Rakuten Linkアプリを使えば、国内通話が無料
楽天ポイントが貯まる
OCNモバイルONE
月額料金:990円(税込)
データ容量:3GB
通信速度:最大1Mbps
おすすめポイント:
月額料金が安い
オプションで通話定額やデータ容量の追加ができる
家族割引がある
BIGLOBEモバイル
月額料金:990円(税込)
データ容量:3GB
通信速度:最大1Mbps
おすすめポイント:
月額料金が安い
オプションで通話定額やデータ容量の追加ができる
家族割引がある
Y!mobile
月額料金:990円(税込)
データ容量:3GB
通信速度:最大1Mbps
おすすめポイント:
月額料金が安い
オプションで通話定額やデータ容量の追加ができる
家族割引がある
UQモバイル
月額料金:990円(税込)
データ容量:3GB
通信速度:最大1Mbps
おすすめポイント:
月額料金が安い
オプションで通話定額やデータ容量の追加ができる
家族割引がある
上記はあくまで一例であり、各格安SIMにはそれぞれに特徴やメリットがあります。ご自身に合った格安SIMを選ぶ際には、月額料金やデータ容量、通信速度、通話料、オプション料金、家族割引などの要素を考慮して、慎重に検討することをおすすめします。

LINEMO、povo、OCNモバイルONEがリストに入っているのは素晴らしいです。しかも「月間データ3GBまでの月額料金が990円」や「povo の月額料金:0円(基本料金;データ利用がない場合)」と正確に情報を拾えています。

ただ、「楽天モバイル」「Y!mobile」や「UQモバイル」については、月額料金を正しく拾えていません。正しい料金は以下の通りです。

月間3GBまでの料金 Bardの回答 正しい回答
楽天モバイル 月額料金:1,980円(税込) 3GBまで 1,078円(税込)
Y!mobile 月額料金:990円(税込) 3GBまで2,178円(税込)
UQモバイル 月額料金:990円(税込) 3GBまで1,628円(税込)

Y!mobileについては、家族割で2回線目以降は 990円になりますが、1人で加入すると3GBまで2,178円(税込)です。ネット上で誤解を招く表現をしているのが問題とも言えます。

Y!mobileのWebサイトにおける料金説明

また全般的に通信速度については、すべて間違っています。「通信速度:最大1Mbps」や「通信速度:最大1.5Gbps(5G回線相当)」となっていますが、実際には、みんそく(みんなのネット回線速度)などをみるとわかる通り、各社 数十Mbpsの通信速度が出ています。

ただ、「条件にあった格安SIMの候補を提示する」という意味においては、「Bard」は6〜7割ぐらいの出来なのではないかと思います。

結論:ChatGPTやBardは格安SIM探しに使えるのか?

ChatGPTについては、情報源が2019年までの情報ということで、最新情報を必要とするようは質問には向いていません。

Bardについては、選択肢の候補を探すところまでは使えそうです。ただし、それぞれの正確な情報については、ユーザー自身が自分で調べて正しいか検証する必要はあります。

残念ながら現時点では、ドンピシャリの回答は得られませんでした。今後のAIチャットボットの進化に期待したいところです。

おすすめ格安SIMについて 最新の正しい情報はこちらの記事などを参考にしてください。

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