MacOSのパソコンは、デザイナーやクリエイターにはAdobe Premiere Proのような高機能ソフトを提供してくれます。しかし、ゲーム利用者にとっては、プレイできるゲームが少なすぎてお世辞にもおすすめできるマシンではありません。そんなMacでも、人気のゲームをプレイする方法はないのでしょうか?調べてみました。
「Macはゲームには向いていない」説は本当か?
M1プロセッサ投入で状況は更に悪化
・BootCampが使えない
・ParallelsDesktopでも動かないソフトがある?
ゲーム用にこれ以上ハードウェアは買いたくないが
最後の手段はクラウドゲームプラットフォーム
Macはゲームには向いていない説は本当か?
Macでゲームをやってみたい。
そう思ったのは、目下世界中で話題のゲームソフト「エルデンリング」がきっかけでした。
Mac信者を改宗させかねない!? 「エルデンリング」とは何者か?
昨年からMacを買い替え、CPUもグラフィック性能も大幅に向上。
NURO光にWi-Fi 6ルーターも導入し、500Mbps以上の通信速度を手に入れた今、美しい映像のオンラインゲームをやってみたいと思うのは自然な流れかもしれません。
Macを使い始めてから、長らくPCゲームから遠ざかっており、浦島状態ではあります。
いま売れ筋のPCゲームはどんなものがあり、どれがMacOSに対応しているのでしょうか?
いくつかのPCゲーム紹介サイトの上位から拾ってみました。
ビッグカメラ PCゲーム売れ筋ランキング(2022/5/30〜6/5)
PCゲーム人気ランキング49 (マイナビ)
オンラインゲームズーム
ゲームタイトル | 販売元 | 対応プラットフォーム | |
信長の野望・新生 | コーエーテクモゲームス | PlayStation®4, Nintendo Switch™️, Steam® | |
FromSoftware
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PS5,PS4, XBOX, STEAM
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カプコン
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PS4, Nintendo SWITCH, STEAM(Windows)
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スクエアエニックス
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Wii U, SWITCH, 3DS
PS4
Windows
ブラウザ
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システムソフト・ベータ
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Windows
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メジャーなタイトルをざっとみただけでも、MacOSで実行できそうなのは、ドラゴンクエストXのみ。しかもMacOSにインストールするのではなく、あくまでブラウザ上での実行です。
予想はしていましたが、なかなか悲しい現実です。
M1プロセッサ投入で状況は更に悪化
そんなゲーム難民のMacでも、以前はWindows用ゲームをやる方法がありました。
MacOS上でWindowsソフトウェアを動かす方法として、BootCampやParallels Desktopという手があったのです。
しかし、M1プロセッサ投入で状況がすっかり変わってしまいました。
BootCampが使えない
無料でできる対策として、MacOS付属のBootCampを使うというのは、最も手軽な方法です。
WindowsOSのライセンスは購入する必要がありますが、Macパソコンの再起動でOSを切り替えるのが面倒でなければ、これが最も費用がかからない方法です。
しかし、2020年にCPUに採用されたApple社製のM1プロセッサから、同じMacOSでも、Intelプロセッサを搭載したマシンでないと、BootCampが使えなくなってしまいました。
参考)Boot Camp アシスタントで Mac に Windows 10 をインストールする (Apple社)
Boot Camp を使うには、Intel プロセッサを搭載した Mac が必要です。 |
Parallels Desktopでも動かないソフトがある?
さて、そうなると「Parallels Deskptop」のような仮想化ソフトを使うことになります。
最新バージョン17では、Apple M1 Macに対応していることになっています。
買い切り価格で 8,345円。これにWindows OSのライセンス金額を入れるとなかなかの費用です。
Mac M1も含め、仮想化ソフトの選び方と、導入のコツについてはこちらのサイトが詳しいです。
参考記事)MacでWindows!仮想化ソフト12本のおすすめと選び方
Parallels Desktopであれば、お金をかけただけの成果が得られそうですが、よく調べていくと気になる情報がありました。
「M1プロセッサ上のParallels DesktopにインストールしたWindowsでは、最近のゲームが動作しない可能性がある」というものです。(記事)
「DirectX 12以降を必要とするゲームは、現在Parallelsではサポートされていないから」というのがその理由です。
たとえば「ELDEN RING」 PC版の必要・推奨スペック には、「DirectX 12」と書かれています。
一方 Parallels Desktopのグラフィック関係の動作環境は 以下の通りです。(Link)
DirectX 11については言及していますが、DirectX 12については言及されておりません(2022/6/5現在)
このあたりの記事(DirectX 12 support on Parallels Desktop?)を読む限りですと、どうやら Parallels Desktop 17は、DirectX 12に対応していないようなのです。
この状態で、仮想化ソフトとWindowsOSでゲームができるかどうか試すのはちょっと危険です。
仕方ないので振り出しに戻ることになります。
ゲーム用にこれ以上ハードウェアは買いたくないが
ゲーミングPCと呼ばれるWindowsパソコンを購入すれば、話は早いのかもしれません。
しかしある程度のグラフィック性能を求めると、一番安いもので8万円以上します。
それがいやなら、PS4かPS5を購入すればよいのかもしれません。
しかし、PS5は最近の半導体不足を受けてなのか、いまだに抽選販売が続いています。
下記は、ヤマダデンキの例ですが、毎月月初に抽選を受け付けているようです。
品薄をうけて、当選した転売屋さんが7〜8万円で売りに出しています。(笑)
一方PS4は、中古で 2〜3万円程度で販売されていますが、こちらは10年前の機種です。
PlayStation(R)4 500GB CUH-2200AB01ソニーストア |
ゲームを試すだけに購入するのは、ちょっと・・・と考えてしまいますし、そもそも、Mac M1を活用することで、余計なハードウェアを増やしたくないというのが基本コンセプトにあったはず。
我に返って、思いとどまります。
最後の手段はクラウドゲームプラットフォーム
結構八方塞がりの感がありましたが、必死で探し続ける中で「クラウドゲームプラットフォーム」なるものの存在を見つけました。ゲームでの利用に特化していますが、ゲームを実行する仮想マシンを提供してくれるものです。FX取引を行うときに使われることがあるVPS(Virtual Private Server)のゲーム版という位置付けでしょう。
なかでも、NVIDIAが提供している「GeForce NOW」がこれらの問題を解決してくれる可能性がありそうです。
残念ながら「エルデンリング」は、このプラットフォームでプレイ可能なゲームタイトルにはありませんでしたが、他のWindowsゲームはプレイできそうです。
次の記事では、クラウドゲームプラットフォームの概要と、「GeForce NOW」を実際に試した結果を紹介します。