初めて買うならこれ一択!?最適なモニター環境を実現できるモニターアームのおすすめは?

在宅勤務の達人

モニターアームには種類が多数あり、一見選ぶのが難しそうに見えますが、エルゴノミクス(人間工学)的に理想的なモニター環境をつくれるモニターアームは限られています。モニターアームの選び方とおすすめ機種を紹介します。

最適なモニター環境をつくるために必要なこと
モニターアーム選びに重要な三つの要素
モニターアームの選び方・初心者向けおすすめ機種

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最適なモニター環境をつくるために必要なこと

こちらの3本の記事で書いたとおり、最適なモニター環境をつくるためには機能・価格以外に検討が必要な大事な点があります。それは、「モニターの高さと視聴距離」です。

間違いだらけのモニター選び(1)機能・価格の前に検討すべきポイントは?
間違いだらけのモニター選び(2) モニターの高さ調整は意外と難しい?
間違いだらけのモニター選び(3) モニターの適正視聴距離は?

高さを調整するのにモニター台を購入したり、最適な視聴距離を確保するために モニターを後ろに下げる、あるいは自分が後ろに下がるなどの微調整をすると思います。

しかし、机の広さ、奥行きなどデスク周りの環境によっては、高さや視聴距離を思ったように調整できないこともあります。そんな悩みを一挙に解決してくれるのが「モニターアーム」です。

モニターアーム選びに重要な三つの要素

モニターアームを選ぶ上で重要なポイントが3つあります。最初の2つは、使い勝手に影響します。
  1. アームの軸数と可動域
  2. 関節部の駆動方式
  3. 取付方法
それぞれを簡単に説明すると以下のようになります。

アームの軸数と可動域

モニター付属のモニタースタンドでも、性能の高いものがあります。性能の高いモニタースタンドでは上下・左右・チルトの3つの方向にモニターが動かせ、さらに、モニター自体も90度回転が可能です。
以下は、HP製23.8インチモニターの例です。
チルト、高さ、スイーベル、ピボットの4軸でモニターの位置調整ができます。
HP E24U G5のモニタースタンドのスペック
チルト(前後方向) 後ろ+23度~ 手前 -5度
スイーベル(水平方向)+45度~ -45度
高さ: 150mm
ピボット(回転)  90度
しかし、どんなに性能がよいモニタースタンドでも、机の上に置いた位置から、モニター本体を別の場所に大きく移動させることができません。
モニターアームの場合はこれに加えて2つの関節が加わることによって、 モニターの位置を自由自在に変えることができます。
エルゴトロンのモニターアームの可動域
モニターアームがあれば、モニタースタンドを置く場所を気にする必要はありません。 モニタースタンドが置けないような宙に浮かせた形でモニターを置くこともできます。
性能のよいモニターアームでは、性能の良いモニタースタンドがもつ「チルト、高さ、スイーベル、ピボット」の他に、2軸を加え、かつそれぞれの軸の可動範囲(角度)を大きくとることにより、自由自在のモニター位置調整を可能にしているのです。

関節部の駆動方式

モニターアームの使い勝手を決めるもう1つの重要な要素は関節部の性能です。滑らかに動かせるかどうか(可動性)と 望んだ位置でピタッと止められるかどうか(固定性)の2つが必要になります。
可動性と固定性の性能は、関節の駆動方式によって異なります。関節の駆動方式には大きく分けて以下の4種類があります。
関節の駆動方式 可動性 固定性 備考
コイルスプリング式 エルゴトロン社の特許。ピタッと止められるが価格が高めなのが難点。10年保証
ガススプリング式 操作性がよい製品を比較的安価に入手可能。ガス圧の経年劣化で性能が落ちる可能性あり
ネジ調整式 安価だが、ネジを回して止めるのが面倒
ロックレバー式 X 重いモニターではロック後でも動く可能性あり
コイルスプリング式というのは、正確には、エルゴトロン社の特許技術「Constact Forceテクノロジー」を指します。同社によると、調整の手軽さと性能の長持ち度合いが、一般に使用される従来式のガススプリング式より優れています。
ガススプリング式は、比較的安価に「調整の手軽さ」を実現できますが、時間が経つと封入されたガスが抜けることで性能が劣化すると言われています。
ネジ調整式の製品は、安価ですがモニター位置の調整に手間がかかるので注意が必要です。下記は、サンワサプライのモニターアーム CR-LA358のマニュアルからの抜粋ですが、アーム各部の可動域を調整するために、「マイナスドライバーでキャップをはずし、スパナでねじを締める」と書かれています。
サンワサプライのモニターアーム
ロックレバー式は、レバーで簡単にモニターの位置を固定できますが、レバーの締め付ける力が弱いため、重いモニターをしっかり支えることはできません。

取付方法

机への設置方法で4つの方式があります。
ネジ固定式とグロメット式は、机や壁に穴を開けてネジなどで固定します。
クランプ式は、机の板をクランプで挟み込みます。

クランプ式
ネジ固定式
グロメット式
スタンド式

 

モニターアームの選び方・初心者向けおすすめ機種

「モニターの高さ」と「モニターの視聴距離」を調整し、「快適なモニター環境をつくる」上で、モニターアームの性能を決める各項目について改めてみていきます。

アームの軸数と可動域

モニターの位置を自由自在に調整する上で、軸数はできるだけ多く、可動域が広いのに越したことはありません。モニター付近に4軸(上下・左右・チルト・回転)の他に、可動域 360度の2軸があれば理想的です。

関節部の駆動方式

予算が許すようであれば、エルゴトロンのコイルスプリング式がおすすめです。関節(可動軸)をなめらかに動かし、ピタッと止めることにおいて、エルゴトロン社の製品を超えるモニターアームは存在しません。ガススプリング式でも、固定性は若干落ちますが、可動性は良いものがあります。

取付方法

「クランプ式」がおすすめです。

モニターの高さや最適視聴距離を調整する上で、どこにどういう形でアームを設置するのが最適かは、実際にアームとモニターを使ってみないとわかりません。ですので、机や壁に穴をあけることが前提の「ねじ固定式」や「グロメット式」を採用することは危険です。また、「スタンド式」は、台座の設置スペース(奥行き)の制限が生じるので、最適な視聴距離を確保しにくくなります。モニターを固定する力も弱くなります。


さて、これらの条件を考慮した、おすすめ製品を紹介します。

はじめて購入する方向けに、シングルモニターで、27インチモニターの耐荷重の製品を選んでいます。

1.エルゴトロン LX デスク モニターアーム

エルゴトロン LX デスク モニターアーム アルミニウム 34インチ(3.2~11.3kg)まで VESA規格対応 45-241-026

カラー:マットブラック、ホワイト、シルバー

取り付け可能なモニターサイズ:34インチ、11.3kg

 

はじめてモニターアームを買う人で、予算が許すのであれば、最初の1本はエルゴトロンの製品を買うのがおすすめです。この製品を購入しておけば、他社の製品で体験するような後悔(「思ったところで止められない」「好きな位置まで動かせない」「固定するのが面倒」)を味わうことはまずありません。(製品寸法

値段がどうしても気になるという人は、AmazonベーシックでOEM製品が売られています。製品付属の取り扱い説明書がわかりにくかったり、関節部分が若干硬いなどの使いにくさはありますが、エルゴトロン製品とほぼ同じ仕組みで作られていると思われ、値段が数千円安くなっています。

Amazonベーシック デスクマウント シングル-ディスプレイタイプ モニターアーム

2.エレコム モニターアーム DPA-SS02BK

予算に制限があって、エルゴトロンのモニターアームを購入できない場合には、別の選択肢もあります。ガススプリング式のモニターアームは、手軽な価格で、モニターアームの良さを体験するのにおすすめです。

エレコム モニターアーム

エレコム モニターアーム シングルアーム 17~32インチ対応 ガス式 VESA規格対応 耐荷重:9kg ブラック DPA-SS02BK

ガススプリング式

取り付け可能なモニターサイズ:32インチ、9kg

 

耐荷重は 9kg、設置可能なモニターは 32インチまでと、エルゴトロン製品に比べると若干劣りますが、関節部の可動域はエルゴトロンのモニターアームに引けをとりません。

(出典:DPA-SS02BK マニュアル

ただし、エルゴトロン製品のように 「望んだ位置にモニターがピタッと止まる」という機能に関しては若干性能が劣ります。