確定申告の期限は3月15日でいよいよ大詰め。国税庁のわかりにくいウェブサイトで悪戦苦闘されている人も多いと思います。確定申告書を印刷して提出した人が、e-taxで電子納税する方法を解説します。
私は 一ヶ月ほど前に、確定申告と納税を完全電子化で済ませてしまいましたが、我が家の確定申告はこれで終わりではありませんでした。
確定申告書を印刷して郵送で提出した妻が、「銀行で税金の支払いができない!」と騒いでいます。
3月15日の期限まであと6日しかありません。
急ぎ自宅でできる電子納税の手順を調べることになりました。
調べた手順を緊急掲載します。
毎年確定申告の度に思いますが、国税庁のシステムはどうしてこんなにわかりにくいのでしょうか?
システムを設計すべき人間が システム・インテグレーターの言いなりで、全体設計をきちんとしないでツギハギだらけのシステムを作ってしまったのではないかと思っています。
まあ、そんな文句を言っていてもなにも解決しないので、庶民は庶民なりに努力します。
妻は e-taxがはじめてなので、アカウントのセットアップからしなければなりません。
0.まずは税金の支払い方法についておさらい
1.電子納税に何が必要になるか
2.利用者識別番号の取得
3.納付目的コードの作成
4.ペイジーでの支払い時の注意点
まずは税金の支払い方法についておさらい
税金の支払い方法には、6つあります。以下のサイトを参考にしました。
(確定申告後の納税方法6つ! メリット・デメリットの比較とおすすめの方法)
支払い方法 | 支払い可能時間 | 支払い場所 | 金額上限 | 手数料 | |
振替納税制度 | 国税庁指定の振替日(令和4年4月22日) | 自宅 | なし | なし | |
電子納税 | ダイレクト納税 | 24時間 | 自宅 | なし | なし |
インターネットバンキング | 24時間 | 自宅 | なし | なし | |
クレジットカード | 24時間 | 自宅 | なし | 決済手数料 | |
コンビニ | 24時間 | コンビニ | 30万円まで | なし | |
金融機関や税務署窓口 | 窓口の開いている時間 | 窓口 | なし | なし |
特に「振替納税制度」、「ダイレクト納付」、「インターネットバンキング」の違いがわかりにくかったですが、調べてみると以下のようです。
振替納税制度 | 事前登録した銀行口座から自動引落(事前登録が必要) | ||
電子納税 | ダイレクト納税 | 事前登録した銀行口座からe-taxで指示したタイミングで引落 | |
インターネットバンキング | 登録方式 | e-taxに納税情報を登録してペイジー支払い | |
入力方式 | e-taxに納税情報を登録せずにペイジー支払い |
今回の場合は、
- 事前登録が間に合わないので、「振替納税制度」は使えず。
- 金額が大きいので、コンビニもNG。また決済手数料が高いのでクレジットカードもNG。
- 金融機関や税務署窓口に出向く時間もとれず。
- 確定申告書は印刷・郵送で提出済なので、いまさらe-taxに納税情報を登録するのも面倒
ということで、電子納税/インターネットバンキングの入力方式を使うことにしました。
1.電子納税に何が必要になるか
電子納税に必要な機材、情報を整理します。
●電子納税に必要となる機材
マイナンバーカード
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マイナンバー読み取り機器
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ICカードリーダー、もそくはマイナンバー読み取りに対応したスマホ
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●電子納税に必要となる情報
納税金額
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確定申告書の「納める税金」欄に記載された金額
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利用者識別番号
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電子申告をするために必要な個人(法人)の識別番号。数字16桁
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納税用確認番号
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ATM、インターネットバンキングを利用した電子納税を行う際に入力する、数字6桁の番号。識別番号をつかうときの暗証番号のようなもの
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納付目的コード
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税目、申告区分、元号、年次などを表す略式コード。
個人の所得税確定申告の場合は、数字7桁。
令和3年度の個人確定申告の場合は、”3204503“となる。
コードの作成ルールは こちら
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e-taxに必要な情報のとり方、作り方についてみてみましょう。
2.利用者識別番号の取得
まず最初に障壁となるのが、利用者識別番号の取得です。
マイナンバーカードと ICカードリーダー機能があるスマホがあれば、税務署に出向かなくても自宅でかんたんに取得することができます。
オンラインで電子申告等開始届出書を提出した場合、利用者識別番号等がオンラインで発行(通知)されます。
パスワードに相当する「納税用確認番号」は、初期値では生年月日(数字6桁)になっていますので、e-taxのページにログインして変更します。
全体の流れについては、国税庁のわかりにくいページのリンクを掲載しておきます。
3.納付目的コードの作成
結論からいうと、令和3年度の個人確定申告の場合の「納付目的コード」は、”3204503“となります。
納付目的コードの作成ルールは こちらにありますが、いろいろなケースを想定して記載しているため、個人の確定申告と無関係な情報が多数掲載されており、初心者を混乱させます。
初心者が迷うところが「税目番号」と「課税期間(和暦)」のところです。
税目番号については、「申告所得税」(020)なのか、「申告所得税及復興特別所得税」(320)なのかで迷います。これは、確定申告書のタイトルが「令和03年分の所得税及び復興特別所得税」となっていましたので「申告所得税及復興特別所得税」(320) を選びました。
課税期間(和暦)については、1桁なのか2桁なのかで迷いますが、これは2桁で表します。
税目番号
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申告区分コード
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「申告所得税及復興特別所得税」の”320″
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確定申告なので ”4″です。
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元号コード
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課税期間(和暦)
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こちらは迷うことなく 令和の”5″です。
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税目は「申告所得税、申告所得税及復興特別所得税」で、和暦を2桁で記載します。令和3年度ならば、”03″です。
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これら4種類の数字をつなぎあわせると、「納付目的コード」が作成できます。
4.ペイジーでの支払い時の注意点
ペイジーでいざ支払いをしようとしたときに、戸惑うのが上で用意した情報をどこに入力するかです。
「納付番号」「確認番号」「納付区分」という欄はありますが、上で用意した「利用者識別番号」「納付確認番号」「納付目的コード」という言葉がどこにもでてきません。
これについては、国税庁のページの下のほう「2. 金融機関への納付指図」の項目に以下の対比表が掲載されています。
金融機関のシステムでの欄の名称
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対応するe-Taxの番号の名称
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「収納機関番号」欄
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収納機関番号(00200)
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「納付番号」欄
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利用者識別番号
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「確認番号」欄
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納税用確認番号
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「納付区分」欄
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納付目的コード
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「金額」欄
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申告等により納付すべき金額
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上から、
「納付番号」には、「利用者識別番号」 (数字16桁)
「確認番号」には、「納税用確認番号」 (数字6桁)
「納付区分」には、「納付目的コード」 3204503
を入力すればよいのです。